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episode1-4 ページ5

『何度も言っているが…私は何処にも行かないし、逃げない』

皆、鏡の間に居るのだろう。
校内は殺伐としていて、とても静かだ。

『君もそうだっただろう?』

過去にクロウリーがAに言った言葉を思い出したからだろうか。
少し照れた様に笑いながら言うA。

「それは、これからも変わりませんよ」

『それは良かった』

安心した様に言ったAは凛としてクロウリーを見つめている。
その瞳は誰でも、見透かされそうだと思うだろう。

『さて、新入生を迎えに行こうか』

「そうですね。行きましょうか」

2人は案外似た者同士だ。

「今年も問題児が集まりそうですね。胃に穴が開きそうですよ…」

トホホ…と言わんばかりに肩を落として言ったクロウリー。

『そうならない為に私が居るんだろう?』

そんなクロウリーに優しく声をかけたA。

「貴女は本当に…(怪人とは思えない程、優しくて心が澄み渡っている。こちら(ヴィラン)に染まっていない様で大変良かったです。でも、白いモノ程黒く染めたいと思うのが人間の性なんですよ)」

クロウリーは自身の手で仮面の部分を覆った。
それは、自身の醜い所をAに見せない為か。
クロウリーの瞳は光が失われ、濁りきっていた。

『クロウリー?』

Aがクロウリーに呼びかけるまで、クロウリーの瞳は濁りきっていた。

「あぁ…。大丈夫ですよ。さて、着きましたし、新入生の(ゲート)を開けましょうか」

見誤ってはいけない。
この学園にいるのは悪役(ヴィラン)ばかり。気を抜いてしまえば…喰われるのが目に見えている。
それは、クロウリーも例外では無い。

「(怪人もそうだった様に、誰かを愛したら離したくないモノ。それは貴女も分かりますよね?)」


分からない─とは言わせない。
クロウリーの瞳に映るのはAのみ。

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Lynn - 見たよ。このストーリー、最高に良かったよ。後ね、コメントはタメでいいよ。丁寧じゃ堅苦しいから (2022年8月13日 6時) (レス) @page12 id: 3d10a0695d (このIDを非表示/違反報告)
樺南澪(かなんれい)(プロフ) - Lynnさん» コメントありがとうございます。頑張ります (2022年7月13日 5時) (レス) id: 39d75deffc (このIDを非表示/違反報告)
樺南澪(かなんれい)(プロフ) - Lynnさん» そうなのですね!ゲーム内だと悪めに描かれがちですが、私もクロウリー好きです。 (2022年7月13日 4時) (レス) id: 39d75deffc (このIDを非表示/違反報告)
樺南澪(かなんれい)(プロフ) - 花猫さん» 返信が遅くなりて、申し訳ありません。誤字のご指摘、ありがとうございます。直しましたが、どうでしょうか?コメントありがとうございます。 (2022年7月13日 4時) (レス) id: 39d75deffc (このIDを非表示/違反報告)
Lynn - 実は、自分もディアクロウリー推し!更新頑張ってね (2022年7月9日 20時) (レス) @page2 id: 3d10a0695d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひらり | 作者ホームページ:http://uratuku/sounewawawa1  
作成日時:2020年8月23日 0時

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