1話 Noside ページ2
ある日の何でもない日のパーティーにて
「どうしたんだい、ケイト。随分浮かない顔をしているじゃないか」
現ハーツラビュル寮寮長のリドル・ローズハートがケイト・ダイヤモンドに声をかける。
何時もは紅茶を良く飲んで、タルトなどのお菓子を食べているのにも関わらず、今日は紅茶も殆ど口にせずに顔を俯かせている。
その顔には勿論の事、影が落ちている。
「確かに。どうしたんですか、ケイト先輩」
新入生のエース・トラッポラも声をかける。
「だぁぁぁ!!!もうケーくんは我慢出来ない!!学園長に抗議しに行ってくる!!」
急に立ち上がって叫ぶケイト・ダイヤモンド。
「落ち着け、ケイト。気持ちは良く分かる」
「トレイくんは何も思わないわけ!?幾ら何でももう時間は経ったよ!!これまで見つからないなんて可笑しすぎるでしょ!!!」
そう叫んでいるのを聞いて反応を示したのはケイト・ダイヤモンドと同じく3年のトレイ・クローバーだった。
事情を全く知らない1年と3年の2人が話している人物について本当に少ししか知らないリドル・ローズハートは困惑した様な顔をしている。
「随分と騒がしいじゃありませんか。外まで丸聞こえですよ、特にダイヤモンド君」
ナイトレイブンカレッジ学園長ディア・クロウリーが来た事で騒然となっていたパーティーが静かになる。
ディア・クロウリーを見たケイト・ダイヤモンドが胸ぐらを掴もうとしたが、その前にディア・クロウリーが口を開いた。
「ダイヤモンド君に良い知らせです。"彼"の居場所が特定出来ましたよ。彼自身も来て良いとの事です」
「本当に!?"A先輩"に会える!?!?」
と胸ぐらを掴もうとした手を下ろして半ば半狂乱で叫んだケイト・ダイヤモンドを見て分からぬ様にディア・クロウリーは呟く。
「面倒な人に好かれましたね、彼も」
「皆さんも行きますか?"興味があるのなら"ですが」
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作者名:ひらり | 作者ホームページ:http://uratuku/sounewawawa1
作成日時:2020年6月16日 0時