懐かしい ページ5
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みっくんが買ってくれたミルクティーのお陰で
午後の業務もなんとかこなした。
後はこのレジュメを部長に渡せば完了!
…なんだけど、部長がなかなか見つからなくて。
『どこ行っちゃったのよー…』
会社のあらゆる階のあらゆる所を
フラフラと彷徨っていると。
『…あ、』
視線の先には久しぶりに見る背中。
ビシッと姿勢が良くて、黒髪の彼。
『藤ヶ谷くん!』
懐かしいな。こうやって名前を呼ぶの。
クルッと振り向いた彼は
私を捉えて一瞬驚いた顔をした後、すぐに笑顔になる。
「Aじゃん!久しぶり」
『お久しぶりです!』
「元気だった?」
『ッ藤ヶ谷くんこそ!知らん間に違う部署に移動しちゃってるし、連絡も取れないし…!』
「はは(笑)ごめんね。携帯壊れちゃってさ。会う機会もなかったし、俺も異動になったの知ったの当日でさ」
『…そういうことだろうとは思ってましたけど…!でも酷いです…メールなら、みっくんとかに聞いてくれたら良かったのに』
「無駄な心配させたくなかった。…それだけだよ」
不意に藤ヶ谷くんの腕が伸びてきて
ポンッと頭に懐かしい感覚。
それと同時に、色んな思い出が込み上げてきて。
頭に手を乗っけられたまま俯く。
『嫌われたかと、思いましたよ…?』
思わず本音が溢れる。
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作者名:hana | 作成日時:2021年8月18日 23時