転生美少女は媚びへつらって生きる。[鬼滅の刃]

着物と簪５ ページ30

『ふふ、ふふふっ♪』




無惨「随分と機嫌がいいな。」




『だって無惨様に着物と簪を貰いました！！

ふふ、一生の宝物にしますね！』





無惨「はっ、それだけで一生の宝になるのか。安いヤツだな。」





『無惨様は特別なんですっ！』





無惨「ふん。」






気がつけば、そろそろ夜が本格的に更けてきた頃だった。



辺りは暗さをまし、人混みも少しだけ少なくなる。





無惨「時間も良い頃だ。もう戻るぞ。」




『はいっ！』






踵を返し中心街を抜けようとしたその時だった。


背後から肩を捕まれ、思いっきり引っ張られた。






突然の衝撃に驚き、無惨様と組んでいた腕が離れる。






『(！？、なに！？！？)』






無惨様の驚いた顔が見えたが、それもすぐに人並みで見えなくなってしまう。






『やめてっ、は、はなして！』






必死に無惨様のいた方向へ戻ろうとするが、あまりの力強さに為す術なく

引きずられるようにして引っ張られていく。




誰だ。





私を引っ張っている人は誰だ。






顔を見ようとするが人混みの中をずんずんと進んでいくため顔を伺うことが出来ない。






『(ど、どうしよう。怖くて声も出ない！)』






引っ張る力が強すぎて、涙が滲んでくる。





とうとう引っ張られたまま人混みをはずれ、裏路地へと連れ込まれた。

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