. ページ30
.
『ん……んん…』
三途「起きたか?」
『へあっ』
目を覚ますと、すぐ近くに春千夜さんの顔があった。
寝返りをうって向かい合わせの状態になったらしい。
三途「はよ。」
『おはよう……ございます。』
驚きすぎて朝から心臓バクバク状態の私。
朝は苦手だが今日ばかりはすぐに目が覚めた。
『あ、あの』
三途「ん?」
『なんで私まだ抱き締められているんでしょう…』
起きてもなお、春千夜さんの腕が腰にまわっていた。
三途「さぁなぁ?」
『ええ……』
春千夜さんはただこちらを見てくる。
『起きないんですか…?』
三途「まだ早ぇだろ。」
『そうですか…』
三途「あ?何抜け出そうとしてんだよ。」
『朝ご飯作るので…』
降りようとすると、拒むようにベッドに引っ張られる。
((グイッ))
『うわっ、』
バランスを崩して春千夜さんの上にダイブする。
しかし勢いが良すぎて、私の頭と春千夜さんの顎が激突した。
((ゴンッ))
三途「いっ…!」
『ぎゃっ』
つむじに鈍い衝撃が走る。
まずい、引っ張ったのは春千夜さんだとはいえヘッドショットしてしまった。
『ああああ、ご、ごめんなさい、大丈夫ですか?』
三途「ぶっ……クク……」
『え?……笑ってる?』
微かに肩が震えていた。
掛け布団で顔を隠しているが、声が抑えきれていない。
三途「あっはっはっは!頭硬すぎだろお前!」
『なっ、春千夜さんが引っ張ったのが悪いじゃないですか!!』
三途「いやそうだけどよ……くく……顎痛すぎだし……アハハハ!」
初めて見る春千夜さんの笑った顔にポカンと口を開けて見ていた。
三途「あはははは!……ひー、腹痛てぇ!」
春千夜さんが何にツボったのかよく分からなかったけど、布団をバシバシと叩いて笑っていた。
なんか……初めて見る笑顔って、擽ったい。
ああ、なるほど。昨日の春千夜さんもこんな気持ちだったのかな。
三途「っはは……あー、笑い疲れた。」
『もう…笑ってないで起きて下さいよ。今回こそは、ご飯作るの手伝って下さい。』
三途「はいはい……んじゃー起きっか、ん、引っ張れ。」
『もー!』
私は春千夜さんをベッドから引っ張って起こした。
今回は初めて、春千夜さんが料理も手伝ってくれた。
1718人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無し43687号(プロフ) - この作品が好きで何度も読み返していたのですが先程プリ小説と言うアプリで主様の作品と凄く似ている作品を見かけました主様はこのアプリ以外でこの作品と同じものを書いたりしていますかт т (9月19日 21時) (レス) id: 2b8f1abd53 (このIDを非表示/違反報告)
full.(プロフ) - 桔梗さん» ツイステに留まらずこの作品も読んでいただきありがとうございます!作者として認知頂けるの嬉しいです…泣。更新頑張ります! (2022年2月15日 23時) (レス) id: 73b8919793 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗 - めちゃくちゃ面白い作品誰が書いてらっしゃるんだろあと思ったらfull.様じゃないですか!驚きました!この作品もすごく面白いです!さすがとしか言いようがない、、!これからも更新楽しみに待ってます! (2022年2月15日 2時) (レス) @page40 id: cf40087a4e (このIDを非表示/違反報告)
full.(プロフ) - 彼方さん» 彼方さんありがとうございます!!もっと楽しんでいただけるよう更新頑張ります! (2022年2月14日 18時) (レス) id: 73b8919793 (このIDを非表示/違反報告)
彼方 - おもろかったです!更新を楽しみにしてます(*^ ^*)頑張ってください♪ (2022年2月14日 16時) (レス) id: 753b80d584 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:full. | 作者ホームページ:http://utanai.nosv.org/u.php/hptyomatu/
作成日時:2022年2月11日 22時