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『二人で?私が、春千夜さんと?』
三途「おー。」
一体何がどのように大丈夫なのだろう。
春千夜さんが反社でヤク中のヤバい人だと言うことを差し置いても、大人の男女が二人で寝るだなんて普通じゃないことは私にだって分かる。
『ええ?』
一体何が目的なのだろう。
寝てる間に刺されるとか?首締められるとか?
三途「早くしろ。」
『いや、流石に』
三途「は・や・く」
『すみませんでした。』
私は圧に押されるままにベッドに入ってしまった。しかも壁側。
シングルベッドだからスペースが無く、どうしても身体がピッタリとくっ付く。
三途「クソ…狭めぇ。」
『や、やっぱり私ソファで』
三途「あ?うるせぇよ。」
『ええ…』
時々出る春千夜さんの理不尽な罵倒に押し黙る。
こんなに密着していては、恥ずかしいし怖いのだが。
『…((ゴソゴソ』
少しでも距離を取ろうと、壁際に逃げる。
((グイッ))
『わっ』
しかしそんな努力も虚しく春千夜さんに引っ張られた。
((ギュッ))
そして、後ろから抱き締められる。
『………え?』
突然の出来事に処理に時間がかかった。
『(私…今抱き締められてる…?)』
怖くて後ろは向けない。
しかし、ガッシリ腰に腕を回されて確かに抱き締められていた。
『は、春千夜さん?』
三途「……」
『あの…この体勢、どういう……』
三途「スー……スー……」
『(もしかしなくても寝てる!?)』
大混乱の私を差し置いて、春千夜さんは寝息を立てていた。
『な、なんなの……』
三途「スー……スー……」
息が首筋にかかるくらい近い。
ちゃんと寝られるだろうか、と考えていたけど、疲れのせいか案外眠気は直ぐにやってきた。
『ふあ…』
私も考えるのはもうやめて寝よう。
『明日の朝生きてるといいな…』
私は重くなった瞼を閉じ、夢の中に入った。
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『スー……スー……』
「……」
『スー……スー……』
「………((ゴソ」
Aが寝たことを確認した春千夜は、少し頭を上げて顔を覗き込む。
髪が顔に掛かっていたので起こさないように指で優しく払った。
「アホみたいな寝顔。」
言い出したのは春千夜だったが、男と一緒なのにぐっすり寝だしたAのことを少し心配に思った。
「殺さねぇって……約束したろ。」
部屋の中にぽつりと呟かれた声は、届くことなく消えた。
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名無し43687号(プロフ) - この作品が好きで何度も読み返していたのですが先程プリ小説と言うアプリで主様の作品と凄く似ている作品を見かけました主様はこのアプリ以外でこの作品と同じものを書いたりしていますかт т (9月19日 21時) (レス) id: 2b8f1abd53 (このIDを非表示/違反報告)
full.(プロフ) - 桔梗さん» ツイステに留まらずこの作品も読んでいただきありがとうございます!作者として認知頂けるの嬉しいです…泣。更新頑張ります! (2022年2月15日 23時) (レス) id: 73b8919793 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗 - めちゃくちゃ面白い作品誰が書いてらっしゃるんだろあと思ったらfull.様じゃないですか!驚きました!この作品もすごく面白いです!さすがとしか言いようがない、、!これからも更新楽しみに待ってます! (2022年2月15日 2時) (レス) @page40 id: cf40087a4e (このIDを非表示/違反報告)
full.(プロフ) - 彼方さん» 彼方さんありがとうございます!!もっと楽しんでいただけるよう更新頑張ります! (2022年2月14日 18時) (レス) id: 73b8919793 (このIDを非表示/違反報告)
彼方 - おもろかったです!更新を楽しみにしてます(*^ ^*)頑張ってください♪ (2022年2月14日 16時) (レス) id: 753b80d584 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:full. | 作者ホームページ:http://utanai.nosv.org/u.php/hptyomatu/
作成日時:2022年2月11日 22時