吉 原 の 花 ３

手がかり２ ページ37

『あら、昼間の旦那！来てくれたのね。』





旦那「勿論だよ。こんな綺麗な花魁に誘われちゃあ断る理由なんかねぇさ！」






旦那の隣に腰を下ろす。







『旦那、一杯。』




旦那「おうおう、美女についで貰う酒はうまいなぁ！」


男1「うわ！羨ましいぜ旦那ぁ！」






うん、場はある程度盛り上がっている。いい雰囲気だ。



私が来る前から酒を飲んでいたのだろう。少し酔いが回っている。



情報をさっそく聞き出したいところだが、なんとかそっちに話を持っていかないと…。


でも、その前に客から信頼を得ないとな。





旦那「っと！」




酔っていた旦那が、手が滑って酒の入った杯を零した。


酒は旦那の着物にかかる。





花魁1「あっ、ど、どうしましょう！」


花魁2「早くおしぼりを！」







良いチャンスだ。



私は焦る花魁達をよそ目に、旦那に近づき




自分の着物の袖で零れた酒を拭く。






男1「っあ、A花魁！そんなことしたら着物がっ…」





『いえいえ、お気になさらず。旦那、大丈夫ですか？』





旦那の手をそっと握り顔を近づける。


旦那は私の顔をぽーっと見つめて、どんどん顔を赤く染めていった。

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