吉 原 の 花 ３

煉獄さんの弟５ ページ16

『今日は、ありがとうね。』



あの後、煉獄さんの話や、炭治郎くんとの文通の話など、しばらくお喋りをした。



「僕の方こそ、ありがとうございました。」






またね、と手を振って、彼の背中を見送る。





やっぱり煉獄さんよりも背中は小さい。


でもそこには、確かな知恵と信念がある。






煉獄さんとは大分違う雰囲気だったけど、根本にあるものは同じなのかしらね。




なんだか、兄弟って素敵…。






私も、屋敷の方へと足を向ける。







『(あ、そういえば…。)』






さっき、千寿郎くんとお喋りをした時、

おすすめの和菓子屋を教えて貰ったのだ。







『(折角だから、寄ってみよう。)』






屋敷へと帰る前に、和菓子屋へ寄った。








.









実は、明日私は


御館様の屋敷に行く予定だった。



和菓子屋へ寄ったのは、千寿郎くんのおすすめで興味が湧いたのもそうだが、



御館様への手土産のためでもあった。







ゆっくり挨拶が出来ていなかったのと、この間の柱合会議のお礼をしなくては。









御館様は病だと聞いたから。

時が遅くなる前に。

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