弱音2 ページ18
炭治郎side
俺の頭を優しく撫でるAさんの手。
白くて綺麗で温かくて。
恥ずかしいけど、すごく落ち着いた。
『炭治郎くんは強くて格好よくて、本当にすごいわ。』
混じりけのなく、穏やかで花のようなAさんの匂いがする。
まっすぐなAさんの言葉に
嬉しい半分、心が痛くなった。
「……違います。」
『え?』
Aさんの顔を見れなかった。
「俺、強くなんてないんです。」
今目を合わせたら、泣いてしまう気がして。
「ずっとずっと、壁があるんです。乗り越えても乗り越えても。」
壁が必要なのはもちろん分かってる。
それが俺を成長させてくれることだって
分かってる。
でも
「いくら埋めようとしても埋まらない部分が必ずあって、」
分かっていても、
こんなにも俺の心を砕く。
「そんな俺の弱さが、いつか大事なものを失ってしまうかもしれない。」
それが怖くて仕方ない。
俺の声は震えていて
気づいたら膝の上に握りしめた手の甲に、涙が落ちた。
「!?、あれ、俺泣いてっ
あっこれは違うんです!ごめんなさい!」
何故だろう。こんなこと、話すつもりはなかった。
ただ少し話したかっただけなのに
この人の匂いは酷く安心してしまう。
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full.(プロフ) - 彼岸花...さん» とっても励みになります!コメントありがとうございます!! (2020年1月25日 16時) (レス) id: 73b8919793 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花... - すごく面白いです! 更新頑張ってください!! (2020年1月25日 15時) (レス) id: 7685bdfe15 (このIDを非表示/違反報告)
full.(プロフ) - ゆいさん» 温かいコメントありがとうございます!更新頑張ります!! (2020年1月16日 0時) (レス) id: 73b8919793 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 面白くて一気読みしてしまいました!続きを楽しみにしてます! (2020年1月15日 23時) (レス) id: 67d27ac634 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:full. | 作成日時:2020年1月6日 21時