愛しい小鳥に白薔薇を２【名探偵コナン】

第７３羽 ページ27

.




甘いカクテルに合うローストビーフやシュリンプサラダ。私はただ盛り付けのお手伝いをしただけだったけど、料理はどれも本格的だった。テーブルに並んだそれらを見ながら私はただ唖然とする。

『昴さん…お店とかやった方が良いんじゃ…』

「Aさんの盛り付けのセンスが良いんですよ。」

どこまで謙虚なんだろう。お世辞にも受け取れないそんな言葉をあっけらかんとして聞いた。

「さて、頂きましょうか。」

そこらの下手なディナーよりもお金が取れると思う。私と昴さんはグラスを掲げた。

「『乾杯。』」

カシャン、と小気味よい音を立ててグラスがぶつかる。ひとくちカクテルを含むと、程よい甘さが口の中に広がった。私好みの飲みやすいお酒だった。

『わぁ、美味しい。お酒飲むのなんて久しぶりです。』

「お酒は強い方ですか？」

『どうでしょう……あまり酔うくらい飲んだことなくて。』

「そうでしたか。でも今夜は好きなだけ召し上がってくださいね。」

『ありがとうございます。』

それからゆっくりとお酒と美味しいご飯を楽しんで、雑談をするうちに夜は更けていった。

第７４羽→←第７２羽

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す