愛しい小鳥に白薔薇を２【名探偵コナン】

第６９羽 ページ23

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平次side

「お、おお。そんなに気に入ったんなら良かったんやけど。」

どこかシリアスな含みのある言い方に、少し呆気に取られながら言う。

『……』

無言で空の星々に夢中になるその様子は、まるでお宝を見つけた子供のように思えた。

不思議な子だな、とは初めから思っていた。落ち着いていて、変に冷静。20歳と聞いたが、それよりも精神年齢は上に感じるし、言葉が丁寧で、どこかのお嬢様かというような品を感じさせる。
それなのに、バイクの後ろに乗ってはしゃぐ彼女は天真爛漫の他になく、今だって小学生かそこらの子供に見える時がある。

『っくしゅん！』

くしゃみの声でハッと我に返った。

「！、寒うなってきたな。そろそろ帰ろか。」

『あ、うん。』

まだ満喫したりなかったのか、名残惜しそうに頷く。少し心は痛んだが俺だって風邪をひかせるわけにはいかない。

「これ、羽織っとき。」

『平次君は平気？』

「おお。またしっかり掴まっときや。」

後ろにしっかり跨ったのを確認し、俺はバイクを走らせた。

「こっからは下り坂やで〜！」

『きゃー！』

少しスピードを上げつつ坂を降りていく。
アトラクションにでも乗っているような声を上げてキャッキャと騒いでいた。

「(見た目の割に肝座ってんだよなぁ。)」

なんて心の中で思いつつ、2人で東都の街へと戻った。

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