. ページ5
.
((ギュッ))
私は勢い良く蘭さんに抱き着いた。
蘭「！」
『蘭さんにもっと可愛いって思って貰いたいから！』
蘭「………」
シーンと部屋が静まりかえる。
一瞬冷汗をかいたが、背中に回ってきた腕にすぐに安心した。
蘭「ったくも〜、しょうがねぇな〜♡」
『「「！」」』
蘭さんはにこにこと笑った。良かった、どうやら機嫌は元に戻ったらしい。
舎弟さんたちも安心したようにため息をついた。
蘭「Aちゃん俺のこと好き過ぎじゃね？いつからそんな甘えんぼうになったんだよ〜！」
『だって褒めて貰いたかったんですもん！』
蘭「は〜？可愛すぎんだろ〜♡」
ぎゅうぎゅうと揺れながら私を抱きしめて、わしゃわしゃと頭を撫でる。
機嫌が戻ったどころか超ご機嫌になった。
『ふふ、擽ったいですよ蘭さん！』
蘭「こうされたかったんだろ〜？」
『ほっぺつままないで〜』
蘭さんはふと、未だ横に正座させられていた舎弟さんの方をひと睨みした。
蘭「あ？お前らいつまでいんだよ。空気読め。」
「「ひぃ！し、失礼しましたぁ！！」」
『(凄い理不尽……)』
バタバタと騒がしく皆が部屋から出ていった。
蘭「ったく、最後までうるせぇなぁ。」
『あはは……』
蘭「で、もしかして竜胆辺りに頼まれた？」
『えっ』
思わずぴくりと肩が跳ねた。
『気づいてたんですか！？』
蘭「まぁね。Aちゃん普段あんなこと言わねぇもん。」
『ならどうして…』
蘭「別にー？俺のご機嫌取ろうと頑張ってるAちゃんが可愛かったから♡」
『もう……！』
蘭「あはっ、怒んなって。」
さすが蘭さんだな……こんなところまで鋭いなんて。
『………でも、パジャマ褒めて欲しかったのは本当ですからね？』
蘭「…………ガチ？」
『はい。』
蘭「え〜かわい。」
蘭さんは優しく笑って私の頬を撫でた。
蘭「余計仕事行きたくなくなるわー。」
『それはダメですよ！会合遅刻したら怒られちゃいますよ？』
蘭「別にいーけど。……でも帰りが遅くなんのはやだなぁ、ウチのお姫様が泣いちゃうから。」
『なっ……蘭さんの意地悪！！』
蘭「あははっ、怒んなって。」
『はやく準備してください！』
蘭「はいは〜い。」
蘭さんはなんとか準備に取りかかって、会合には間に合わせることが出来た。
初日からこの調子で大丈夫だろうか。
私にとっては賑やかすぎる朝だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4685人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ただつ(プロフ) - 東リベ自体は読んでなかったのですが、この作品を読んで興味湧いてきました^ ^ 最高におもしろいです！ (3月9日 11時) (
レス) @page47 id: bb369dedc9 (このIDを非表示/違反報告)
うさこ - もう大好き過ぎて一気読み確定でした（т-т）！！更新楽しみです！ (12月16日 23時) (レス) @page47 id: d68f8df98a (このIDを非表示/違反報告)
るか - 突然すみません、プリ小説でとても似ている作品を見たのですが、プリ小説でも同じ作品を書かれていらっしゃるんですか？ (12月15日 21時) (レス) id: 55d8563b32 (このIDを非表示/違反報告)
SELENE(プロフ) - 一気に読ませていただきました！夜中なのに目がギンギンです笑素敵な作品、今後も応援させてください。 (12月13日 2時) (レス) @page47 id: 9bbf4db66c (このIDを非表示/違反報告)
full.(プロフ) - かなさん» かなさんありがとうございます！！応援にすっっごく励まされます！頑張ります！！ (11月19日 22時) (レス) id: 73b8919793 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：full.
| 作者ホームページ：http://utanai.nosv.org/u.php/hptyomatu/
作成日時：2022年12月5日 2時
