本音 ページ29
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店が開店してすぐに、九井さんは来てくれた。
マスター「Aちゃん!VIPルームで本指名、よろしくね!」
『はーい!今行きます!』
入口へ迎えに行くと、私に向かってひらひらと手を振った。
『こちらです。』
九井「どーも。」
((ガチャ))
VIPルームの中に入り扉を閉める。
すると途端に腕が回され、私は九井さんに後ろから抱き締められた。
((ギュッ))
『……え!?』
びっくりして何事かと思えば、九井さんは私の方にポスンと顔を乗せため息をついた。
九井「はぁ……ったく。」
『こ、九井さん…?』
九井「あー……悪ぃな。もうちょっとこのままで。」
本当にどうしたのだろう。
いつもと変わらない様子に見えたけど。
『何かあったんですか?』
九井「ふっ…まぁな。何処かのお嬢さんが心配かけさせるからなぁ。」
『うっ』
もしかしなくても私のことだ。
九井「灰谷に事情を聞いた時俺がどんな気持ちだったと思う?」
『か、返す言葉もありません…』
九井「無事で良かったけどよ。」
私は首元に回る九井さんの腕にそっと手を添えた。
九井「………悪いな。」
『どうして謝るんです?』
九井「ボス相手じゃあ、俺は下手に動けねぇ。」
私を抱きしめる手に力がこもった。
『もう充分ですよ。私がどれだけ助けられてるか。』
九井「……俺は何も。」
『こうやってお店に来て、私に会ってくれるんだからそれだけで充分です。』
九井「っ………お前それ、他の客にも言ってんの。」
『いいえ。私愛想は振りまいても媚びは売らないので。』
九井「ふっ、そうだな。お前はそういう女だ。」
九井さんはようやくそっと腕を離した。
九井「だから……マイキーも……」
『?』
九井「いや、何でも。」
まだ何か言いたげな様子だったが、九井さんは口を噤んだ。
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full.(プロフ) - ゆきさん» うわあああ嬉しすぎます!(´TωT`)この作品を選んでくれてありがとうございます!更新も頑張ります! (2022年7月16日 10時) (レス) id: 73b8919793 (このIDを非表示/違反報告)
full.(プロフ) - 天然水さん» コメントありがとうございます! (2022年7月16日 10時) (レス) id: 73b8919793 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - とても素敵な作品をありがとうございます!面白くて一気に読んでしまいました!1番好きな作品です…♡作者様のペースで更新頑張ってください!楽しみに待ってます! (2022年7月15日 21時) (レス) @page49 id: cff8d00b59 (このIDを非表示/違反報告)
天然水 - 更新してください (2022年7月12日 19時) (レス) id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
天然水 - 早く更新してほしいです (2022年7月4日 7時) (レス) id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:full. | 作者ホームページ:http://utanai.nosv.org/u.php/hptyomatu/
作成日時:2022年4月15日 0時