あの子は誘い上手２【ツイステ】 (ページ7)

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事の発端２ページ7

アズールside

「まだ分かりませんか。騙されているのは貴方ですよ。」

マレウス「ほう、この僕が間違っていると。」

「ええ、その後ろにいるのはとんでもない女狐ですから。」

監督生の肩がピクリと跳ねた。

しかし、すぐさま目に涙を浮かべマレウスさんに擦り寄る。

監督生「ツノ太郎……怖いよ～…」

マレウス「大丈夫だ、監督生。」

そんな監督生にマレウスさんは笑いかける。

僕は思わず嘲笑が零れた。

僕は使われているのだ、コイツの自尊心のために。

そう思った途端頭にきて仕方がなかった。

「はっ、僕は何のお遊びに付き合わされているのですか？くだらない。」

マレウス「！……お前…」

「そんな女狐に騙されて良いように使われるなんて、茨の国の王の名が廃りますねぇ。」

マレウス「誰に口をきいている！！」

マレウスさんは叫んだ。

鼓膜を劈くようなその圧でさえ今は何でもない。

マレウス「ガッカリだな……お前がそんなに頭の悪いやつだなんて。」

「僕だって同じです。そっくりそのままお返ししますよ。」

マレウス「____おのれぇ！！」

「！！」

マレウスさんは僕に向かって攻撃をした。

咄嗟に魔法で防ごうとするが、マレウスさんの魔法の速度には追いつかなかった。

「ぐあっ！！」

鈍い痛みが肩の辺りを掠める。

監督生「ちょ、ツノ太郎！？」

流石にこれは監督生も想定外だったのか、慌てて立ち上がった。

しかし構わずマレウスさんは攻撃を続ける。

防御魔法を使うも、全てを防ぎきることは叶わず、幾つも傷がついた。

マレウス「この低俗のタコ風情が。」

「ぐっ、あ"っ」

数箇所から血が流れ、その痛みに耐えかねて僕は床に倒れた。

監督生「ま、待ってツノ太郎！流石にやり過ぎだって！」

監督生の制止の声によってやっと攻撃は止まる。

マレウス「ふん……運の良いやつだ。監督生が優しくて良かったなぁ。」

「ぐっ……！」

マレウス「もうこいつに手出しはするな。次は命はないと思えよ。」

そう言い残して、監督生とマレウスさんは去って行った。

悔しさや屈辱の余り叫び出しそうになるのをぐっと堪えて、何とか立ち上がる。

「ﾊｧ……ﾊｧ……」

出血が酷い。

早く寮に戻って回復薬を飲まなければ。

幸い歩く事は出来そうだ。

僕は足を引きずりながら寮へと戻った。