愚王の彼２ ページ47
私はいつもとは違うルートで歩いていた。
目的はただ一つ。
レオナに会うため。
昼休みの植物園。
きっとお昼寝中のはずだわ。
歩いていると、案の定無防備なライオンはそこに寝そべっていた。
『おはよう、レオナ。』
レオナ「………ん…？」
『ふふ、まだ寝ぼけているのかしら？』
レオナはだるそうに起き上がって私を見た。
レオナ「これはこれは…珍しいなお嬢さん。」
面白がるように上がるその口角が今は何より気に入らない。
『貴方のだーいすきなあの子は？今日はまだ来てないの？』
レオナ「ああ、まだ来てねぇな。」
『そう、それなら好都合ね。』
私はレオナに近づいた。
『今日の放課後、話したいことがあるの。西校舎の空き教室、来てくれる？』
レオナは少し目を見開いて、少し笑った。
レオナ「___ほぉ、告白でもする気か？」
『どうだろうね、来たらわかるんじゃない？』
レオナ「ふっ……いいぜ、行ってやるよ。」
貴方のお気に召すものだと良いけれど。
『良かった。じゃあ約束ね？』
レオナ「…おお。」
それじゃあ、と立ち去ろうとしたその時、後ろから焦ったように足音が近づいてくる。
ユウ「レオナさん！！」
息を切らした監督生さんだった。
一足遅かったわね。
『あら、こんにちは監督生さん。』
ユウ「な……なんでAが居るんですか…？」
鋭い目付きだ。
いつもならイラッとくるその顔も、今なら滑稽に見える。
『ちょっと、レオナとお話があったの。』
ユウ「は、…2人で？」
『ええ、そうよ。』
まるでふつふつと湧く怒りが目に見えるようだった。
ユウ「何話してたんですか。」
『うーん、内緒♡』
ユウ「っ…レオナさん！」
監督生さんはレオナに向き直るが、レオナはふいと目を逸らした。
レオナ「………別に、大した話じゃねぇよ。」
愛しの彼女に向かってそんな態度とっちゃうのね。
まぁそれもそうか、最初から貴方の目的はひとつだもんね。
私は去り際に監督生の肩にぽんと手を置いて、小声で耳に囁いた。
『私に突っかかったらどうなるのか…教えてあげるわね。』
監督生の息を飲む音だけが私の耳に届いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3647人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あいらいん - おい!おじたん!!!!!!お前俺のヘーゼルちゃんを泣かせやがって…!!!!!! (2023年4月3日 13時) (
レス) @page39 id: c168593882 (このIDを非表示/違反報告)
full.(プロフ) - Aliceさん» まさかのキレるのそっち笑笑 ありがとうございます！今後も是非お楽しみください！ (2022年1月6日 22時) (レス) id: 73b8919793 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - ヘーゼルちゃん可愛すぎません？レオナお前何泣かせてんだよ､ (2022年1月3日 0時) (レス) @page48 id: ec8cd6e559 (このIDを非表示/違反報告)
full.(プロフ) - 海さん» そうです！たとえ何かあったとしても同情のしようがないくらいの悪女を思って書いてます笑笑。ヘーゼル好きになっていただけるの本当に嬉しい……ありがとうございます！！ (2021年12月31日 1時) (レス) id: 73b8919793 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - ヘーゼルちゃん真の悪女って感じなんめっちゃかっこいい！そりゃあんな人にだったら利用されても寧ろ嬉しいくらいだわ← (2021年12月27日 14時) (レス) @page43 id: f1b88e526f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：full.
| 作者ホームページ：http://utanai.nosv.org/u.php/hptyomatu/
作成日時：2021年8月1日 17時
