心配 ページ35
『えっと……んっと……ぅ、やっぱだめだ、みちわかんない〜!』
もうそろそろ、身体も疲れてきてしまっていた。
五歳児の体力にはやはり限界がある。
五条先生、結構目立つ見た目してるのになぁ。
人混みだと分かりにくいものだ。
迷子センターに行こうかとも考えたが、流石に恥ずかしさもあるし、まずそこまでの道が分からない。何たる恥。
誰か見かけた人、居ないかなぁ。
『あの、おねーさん…』
ふと道行くお姉さんに声をかけてみる。
女性「ん?どうしたの?」
『えっと……しろいかみのけで、サングラスかけたせのたかいおとこのひとみませんでしたか?』
言葉にするとだいぶ特徴ありまくりだな。
女性「あ、見たわよ!さっき1階で大声で叫んでたけど…もしかして貴方のこと探してたのかしら。」
『!、ほんとですか!ありがとうございます!』
女性「もしかして迷子……って、行っちゃった。」
私は急いで1階を探し回った。
けれどやはりこの低い背では探しずらい。
そこで、1階に居た高校生くらいの男の子にも声をかけた。
『おにいさん。』
男子「うお、どうした?……ってひとり?」
『しろいかみのけで、サングラスかけたおとこのひとみませんでしたか?』
男子「白髪でサングラス……ああ、あのイケメンの人?かな。だったらついさっきそこに居たよ。まだ近く居るんじゃない?」
『ありがとうございます!』
男の子が指さした方へまた走る。
ときに押しつぶされそうになりながらなんとか進む。
五歳児って、ショッピングモールも冒険なんだな。
『はぁ……はぁ……』
息も絶え絶えでなんとかくぐり抜けると、少し奥に白髪が覗いた。
『!、あれって…』
右左に動く頭。サングラスを掛けているのが分かる。
それにあの高い背……五条先生だ!
『ごじょ、せんせ!』
後ろから頑張って呼ぶけど、周りの喧騒に掻き消される。
『っ、ごじょーせんせー!!』
振り絞って声を出すと、五条先生はパッと立ち止まって振り返った。
五条「っ!…A!?」
『せんせ〜!』
振り返った先生が私の姿を目に捉えると、張り詰めていた表情が一気に緩んで
少しだけ、泣きそうな顔をしているように見えた。
五条先生は両腕を大きく広げる。
私も戸惑うことなく飛び込んだ。
((どさッ…ぎゅう……))
力いっぱいに抱きしめられた。
1759人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
どこぞのオタク - うっっっっわ、なんだこの可愛い生物達は......うわぁぁ、可愛い...可愛いよぉ...(語彙力消滅)続き楽しみ... (2023年3月5日 0時) (レス) @page45 id: 625a6655ea (このIDを非表示/違反報告)
みかん - かわいすぎです とってもお話面白いです!更新頑張ってください (2022年12月13日 18時) (レス) @page45 id: 6e1da832f0 (このIDを非表示/違反報告)
ボンクラMONKEY ピーヤの人(プロフ) - やっっっべぇ……もう...かわよ...やっっっっっっべぇぇぇ…………(語彙力も吹き飛んだ) (2022年12月10日 22時) (レス) @page45 id: 7a2b040506 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 続きが速く見たいです (2022年8月13日 21時) (レス) @page45 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
巨人になりたい - 学校帰りの癒しだぁ (2022年6月14日 17時) (レス) @page45 id: ab8d186a2f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:full. | 作者ホームページ:http://utanai.nosv.org/u.php/hptyomatu/
作成日時:2021年5月11日 22時