広い空の下で (ページ7)

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6話ページ7

「はァ!!?今なんつったお前!!!」

「お前連れてってやれよ」

「ふざけんな！嫌に決まってんだろ!!おれは女が嫌いなんだよ!!!」

「だって危ねーだろ？その点、お前ん家なら安心だ」

出た。サボのお人好し。
面倒臭いのが始まったと、睨みつける。

でもサボはそのことに気がついていなかった。
ずっとその倒れた女を見つめていたからだ。

日頃の恨みを晴らすべく、そっと近づく。

「おいサボ、ずっとそいつの顔みてるけど何考えてんだよもしかして惚れたのか？」

「バカか!!!そんなんじゃねーよ。ニヤニヤすんな!!!」

「ふーん… ならどうしたんだよ」

思った通りの良い反応に笑いが止まらない。もっと弄ってやろうかと思っていたら早々に白状される。

曰く、雰囲気が似ているらしい。
そんなわけあるかと言いかけ、止めた。

強く否定できない何かがあって、ずっとそれが引っかかっていた。

その後なんか良いように丸め込まれ、結局おれが連れて帰ることになった。いつも通り家に帰り、そいつをマグラに渡す。

「なんだいそのガキは!!!」

「知らん。＂連れてけ＂って言われたから連れてきただけだ」

｢｢｢連れてきたー!!!?｣｣」

「どういうことだい!? エース!!!」

「まーまーお頭。この子ボロボロだから…」

「とりあえず手当して寝かせてくる二ー」

騒ぎ立てるダダン達を無視して肉を焼く。
それから風呂に入り、寝室に行って横になった。

あの女は山賊達の部屋で寝かせているらしい。死人みたいだとは思っていたが、本当に死にかけらしい。

そもそもあいつ、なんであんなとこに居たんだ？

っておれには関係ないのに…
ないはずなのに…
何でこんなに気になるんだ…？

あいつが現れてからおかしなことばっかだ。
あーイライラする。寝れる気がしねぇ。

そう思っていたが、身体は正直でいつの間にか眠っていた。

目が覚めた時にはもう朝で。
いつも通り朝飯の調達に山へ出た。

近くでドスンと大きな音がしてなんだなんだと見に行けば、昨日の女が野牛を気絶させていた。武器も持っていない女が。

一体何者なんだと後をつけたが、その辺の雑草を採って帰る始末。人違いを疑ったが、気配を感じ取ったのかおれの隣の木を見つめている。こいつは本当になんなんだ。

いつの間にかあいつの事を考えていて、慌てておれには関係ないと切り捨てた。

そんなことを繰り返しながら、女よりも遅れて家に入る。
良い匂いが充満していた。