広い空の下で (ページ31)

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7話ページ31

「今日もどっか行くのか!?エース!!」

「！」

翌日。
家を出たエースを追ってルフィは勢いよく扉を開けた。

「おれも連れてってくれよ!!
友達になろう!!」

「……」

「待てよー!!
今日は見失わねェぞ!!」

「お頭っ!!あいつまたエースを追って!!」

話しかけても無視を決め込むエースに、めげることなくルフィは後を追う。

「コラルフィ～!!お前はウチの雑用をやるんだよ!!!
……クソガキ、言う事聞きやしねェ!!」

『まあでも良いじゃないですか！
私がその分やりますから！』

「…ったくステラだけだよ、ちゃんと働いているくれるのは」

「ステラは少し働きすぎだと思う二ー」

『そんな事ないですよ
じゃあ私は洗濯物干してきますね』

「あ、ああ…頼んだよ」

「あいつほんとに9歳二ーか？」

ドグラとダダンは自由過ぎるルフィに手を焼いていたのだが、加減をしらないステラにも頭を抱えていた。

8日目───

10日が過ぎ、
追いかけては見失い、
しかし毎日毎日。

1か月、2か月。

雨の日も風の日も、
エースに川に落とされようとも、
ルフィは必死にエースを追いかけ続けた。

そして、生傷耐えぬ追跡が3か月を超えた頃───……

「ハァ…ハァ…
あ…森を抜けた……」

・

──ダダン一家の住むコルボ山を北へ抜けると、
こんな場所がある。

「おえっ!!くっせ〜
何だここ」

不要になったものがここに集まる。

物もそうだが、
人間もそう。

当然＂無法地帯＂……

医者もなく犯罪と病気が蔓延している。

ここはいつも悪臭が漂う場所。
捨てられた大量のゴミ山は日光による自然発火でいつも煙を上げている。

──ここは、不確かな物の終着駅(グレイ・ターミナル)

「あ!!」

＿＿＿＿＿

＿＿＿

「サボ!!サボはいるか!!」

「おおエース」

「悪ィ遅くなった。
ステラは来たか？」

『うん。いるよ〜』

「遅かったな。
おれはもう町で一仕事してきたぞ」

大きな袋を片手に担ぐエースは小声でサボを呼んだ。
その声に気付いたサボは木の上からにっと笑う。

「そうか。実はおれもだ!!」

軽々と木を登ってきたエースの袋に入っていたのは大金で、普通では持てるはずもない数の札束だった。