広い空の下で (ページ30)

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6話ページ30

「美味かった！ステラはすげぇな！
マキノの飯みたいだ！」

『ありがとう』

マキノさんって人は知らないけど、喜んでもらえて良かったなんて思っていると足音を立てながらバンさんが入ってくる。

「おうルフィ食い終わったか？」

「誰だ？お前」

『バンさん。大丈夫ここの人だよ』

「ってことはダダンの手下か！おれは山賊嫌いだ」

「聞いた聞いた。ほら寝るぞ」

知らない人が突然出てきてびっくりしたかなと思って紹介すれば怪我もなんのそので暴れ出した。

そんなルフィ君をバンさんは気にすることなく寝室に連れていく。かなり面白かった。

ドアがしまったのを確認して洗い物に手をつける。
キラキラと輝かせるルフィの目を思い出しては笑ってしまった。

あんな素直な子ならそのうちエースとも仲良くなれそうだな、なんて。

その後、片付けを終わらせて寝室に行くとルフィ君は布団もかけずに大の字になって爆睡していた。

『ルフィを谷底に落としたの。エースでしょ』

「……」

布団に潜り込み、隣のエースの方を向いて話しかける。
返事はないけど寝てはないだろうという確信があったから。

『やりすぎないようにね』

「……ステラはあいつに甘いんだよ」

やっぱりねと思いながら口角を上げる。
少し意地悪なことを言ってみたくなったのだ。

『だってどこかの誰かさんと違って素直で可愛いんだもん』

「フッ……お前と同じでポンコツそうだもんな」

『ちょ、それどういう意味!?』

「知らね」

悪い顔をするエースを見て、ようやくからかわれた事に気が付く。ムッとして思わず大きな声が出た。

『はー？』

「うるせーよばーか。
おれはもう寝るから喋りかけんな」

バサりと布団を頭から被る。
ゴソゴソ動いていたからたぶん反対側を向いたんだろう。
勝ち逃げされた感じがしてちょっと悔しかった。