広い空の下で (ページ13)

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5話ページ13

「おい!! ステラ!!!何ボーッとしてんだい?!」

『あっすみません……わっ!!』

ステラに小さな袋を投げ渡す。突然のことだったがしっかり反応してキャッチしているのをみると反射神経はピカイチだろう。

「今日は片付けなくていいから何か買ってきな。その代わりその金、全部使うまで帰ってくんじゃねーよ」

『なんで……？』

「ステラはいつも頑張ってくれてるから二－、そのお礼って言うことだと思う二ー」

意味がわからないと言わんばかりに首を傾げるステラにドグラが説明する。俺らのお頭は案外情に厚く、優しいのだ。
顔はこえーし見た目もおっかないけど。

『そうですか…あの、ありが・・・』

「さっさと行ってきな!!!」

『はい!!行ってきます!!!』

急かすような怒鳴り声に慌てて外へ飛び出すステラ。
遠慮させないためかもしれんがそれにしたってお礼くらい言わせてやりゃあいいのにな。

「あ、あった。これか」

「ん？サク、どうかしたか？」

「いや大したことでは無いんすけど、さっきステラがニュイテトワレって島の出身で、家出してきたって言ってたじゃないですか。なんか聞いたことあるなって新聞漁ってたんすよ」

「そうなのかい!!?」

ステラが買い物に行ってからしばらく経ったところで、サクがポツリと零した独り言を拾い、促した。

「そういえば見た気がするな。
たしか……超能者狩りだったか」

「その通りです。まさにそれがこれ」

俺らに見せるよう新聞を広げたサクに礼を言って新聞に載った写真をじっと見つめる。

───ニュイテトワレ島。
星に愛された冬島だったか。

そんな島が一夜でこんな焼け野原に……
それならステラがあんな目をしているのかも納得出来る。

「だったらなんでステラこんなとこにいんだよ。書いてあんじゃねーか、＂超能力者全滅＂って」

「お前は相変わらず馬鹿だなー
考えられることは二つだろ。

一つはステラが生き残りである可能性。
相手は超能力者だ。子供一人逃すくらい造作もないだろ。

もう一つはステラがそもそも超能力者ではない可能性。争いに巻き込まれ命かながら逃げてきた、とかな？
正直こっちの可能性の方が高いと俺は思っている」

・

強い風がステラを包む。
身体の周りから溢れ出す青白い光と相まって、それは幻想的な風景だった。

「ん？あれは……」

驚いたような声。それからすぐ、あることに気がついたらしい。ニヤリと笑う影があった。