広い空の下で～約束～１ (ページ26)

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2話ページ26

「ところでお嬢ちゃん、どうしてこんな所におるんじゃ？」

家に戻っていくエース達を追って中に入ろうとした時、麦わら帽子の少年を連れてきたおじいさんに声をかけられる。

『……えっ、と。行く場所がなくて』

エースに助けを求めようと視線を送ったけど無視され、取り残された私は正直に答えた。

「そうか。辛いことを思い出させてすまんかったな。
ん？……お嬢ちゃん名前教えてくれんか」

『ステラです。ガープさん、で合ってますか？』

確認のためにそう聞いてみると、反応がなくて間違っていたのかと不安になる。
顔を上げれば何かをこらえるような顔していた。

『あ、あの……どうかされましたか？』

「わしに着いてきてくれんか？少しでいいんじゃ。
お前さんに話したいことがある」

『？わかりました』

突然の誘いに戸惑いはしたけど、ダダンさんの知り合いみたいだから大丈夫だろうと思い、一応その事を伝えて家を出る。
この山に詳しいらしく連れてこられたのは海の見える丘のような場所。その道中で私はある重大なことを思い出していた。

「さてステラちゃん、お前さんの父は＂ゴール・D・ウッズ＂じゃろ？」

『な、なんでそれを…』

「やっぱりそうじゃったか…
助けられず、すまんかった」

そう言ってガープさんは頭を下げた。その事実に軽くパニックを起こした私は慌てて頭を上げてもらおうと必死に説得する。

『辞めてください。そんな、私なんかに。
そ、それに私が嫌いなのは＂あいつら＂でガープさんじゃないです。父もガープさんは仲間程信用できるって言っていましたし……』

「ステラちゃんはウッズの奴にそっくりじゃな。
……それにしてもお前さんだけでも生き残ってくれて良かったわい。どうじゃわしの孫にならんか？」

『えっ、良いんですか？』

「もちろんじゃ」

嬉しかった…
私は海軍の敵である存在なのに"生き残ってくれて良かった"と言ってくれて、その上孫なんて……

『よろしくお願いします！』

「敬語はいらんわい。
＂家族＂じゃからな」

『!!……うん！おじいちゃん!!!』

「ステラちゃんは良い子じゃのう」

そう言って頭を撫でてくれたおじいちゃんの手は大きくてごつごつしてたけど優しくて。
そんなはずあるわけないのに、お父さんが頭を撫でて励ましてくれているみたいで泣きそうになった。