028 痛みを知るほど優しくなれる ページ28
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それからあっという間に定休日である木曜日を迎え、あたしは無名街へと向かっている。楽しいと、楽しみがあると、一週間は早い。足取りも軽く感じた。
早く子供たちの笑う顔が見たい。
楽しそうにしている姿が見たい。
こんなに強くそう思うのも、＿＿＿＿＿＿ あたしの子供時代と同じようにはなってほしくないからだ。
「……Aさん、だっけ」
「あ、はい」
「俺はタケシ。んでこっちはピー」
「よろしく。スモーキー、すぐ呼んでくるから」
「……すごいですね、あんな高いところに」
「スモーキーの方がもっとすごいよ」
「へえ……」
あたしの両親はどっちも教師で、勉強にはひどくうるさかった。でもそれは、スポーツも勉強も特に秀でていなかったあたしにだけで、スポーツができる兄にはなんの指導の声もなく。あたしにだけ、『頭が良くないとこの先の幸せはない』だとか、子供ながらにも不安になるような言葉ばかりを浴びせてきた。
それが、苦痛で苦痛で仕方なかった。
「悪い。待たせたか」
「いえ全然」
「こっちだ」
だから、あたしの子供時代には幸せな記憶なんてない。楽しかった記憶も、なにもない。遊んでもらった記憶も。
それが、どれだけ辛いか、分かっているから。
「……大丈夫そうですね。意外とオーブンもちゃんとしたやつですし」
「そうか」
「子供たちにはもう？」
「いやまだだ。3日前くらいに伝えようと思っている」
「……そうですね。その方が子供たちもワクワクするかも？」
「……ああ」
ここには元気いっぱいで、優しくて、強い子供たちが沢山いる。みんな暮らしは不自由かもしれないけれど、たくましく生きている。
「楽しんでくれるといいなあ……」
生きる楽しさを教える、その背中を押す手伝いができるのなら、あたしは何だってするつもりだ。
精一杯、楽しんでもらえるように、頑張ろう。
「じゃあ、開催は再来週、ということで」
「よろしく頼む」
「こちらこそ、お願いします」
「……A、」
「？」
「……ちゃんと、休めよ」
「……、……はい、分かってます。スモーキーさんもですよー？」
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堕天使魔夜(プロフ) - 5371号さん» 更新しないのですか？とても楽しみです (2017年9月10日 13時) (
レス) id: 5e5aea13cc (このIDを非表示/違反報告)
堕天使魔夜降臨(プロフ) - 5371号さん» はい！どんな登場か楽しみです♪ (2017年8月26日 23時) (レス) id: 5e5aea13cc (このIDを非表示/違反報告)
5371号(プロフ) - 茅皓さん» 大変たくさんのコメントありがとうございます……！いえ、もうぜんぜん個人的にはすごくありがたいです。ありすぎて逆にすみません(笑) またなにかありましたら宜しくお願いします！更新もちょこちょこ頑張ります！ (2017年8月26日 22時) (レス) id: 22d7f5151e (このIDを非表示/違反報告)
5371号(プロフ) - 堕天使魔夜降臨さん» 雨宮兄弟推しでしたか！！予定はしていなかったのですが、是非検討します。 (2017年8月26日 22時) (レス) id: 22d7f5151e (このIDを非表示/違反報告)
茅皓 - 沢山の直しを言ってしまいすみません(>_<) 今後物語を読んでいて直しがあったら言ったほうが良いですか？ それともスルーしたほうが良いですかね？ 以前別の作者さんの作品を読んでいて直しを言っていたら色々とあったので...。 一応確認をと思いまして...。 (2017年8月26日 12時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：5371号 x他1人 | 作成日時：2017年7月22日 7時
