001 パン屋、始めます。 ページ1
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「……は?」
「え、いやだからパン、」
「いや聞こえてるけどさ。え、は? なに、急に帰ってきてパン屋? 何考えてんだよA」
「何って、……てかもう店の場所も決まったけど」
「はあ!?」
「まじかよ、……お前すげえな」
「感心すんなハゲ」
「ああ!? ハゲてねえよ!ブス!」
「ハゲ!」
と、5年ぶりくらいにこの2人の言い合いを見ることができたところで自己紹介をしておく。
あたしの名前はA。苗字は吉澤だけどこの街の誰にも苗字で呼ばれたことはないので特に聞かれない限り、名乗りはしない。歳は24歳で、ちょうど5年前、海外の大学に入学するため、SWORD地区を離れた。それから1度もここには戻ってきていないし、ここでその間に何があったか、なんてことも全く知らない。
「変わらないねーこの2人は」
「ああ、そうだな」
「……コブラはなんか、ちょこっと変わった気がする」
「ふ。……その言葉、そっくりそのまま返してやる」
「え〜嘘〜?なんかあたし変わった?ね、ノボル」
「え、俺?(笑) うーん、まあ、大人っぽくなって綺麗になった、とか?」
「あら、それは嬉しい。まあ5年? とかそんくらいだしねー。ノボルもなんかかっこよくなったんじゃない?」
「はは、ありがとう」
生まれ育ちは山王街のひとつ隣町で、小中高、と一緒だったコブラ、ヤマト、ノボル、ダン、そしてこの洋食屋・ITOKANを経営しているらしいナオミとは幼馴染である。らしい、というのも、この街を出た5年前にはまだこの店はなかったからだ。ただのたまり場だった記憶がある。ムゲン、というナオミのお兄さんである龍也さんと琥珀さんによるチームも無くなっているみたいだし、やはり色々とここも変わっているようだ。
カランカラン♪
「あーはーらへっ、うおおぉ!? なっ、え、お前ッ、Aか……!?」
「おーダンだ。ははっ、ダン、ぜんっぜん変わってないね」
「や、びっくりしたあ……とうとう幽霊でも見えたんか思ったわ」
「おいー」
「だってお前何年ぶりやねん?……知らんけど」
でも、彼らの暖かさだったり懐かしさは全く変わっていないようで、あたしは1人、心の中で安心していた。
「へー、可愛い子が入ったもんだ。よろしくね、チハルくん」
「よ、よろしくっす!」
「おお、反応も可愛い。鬼邪高ってあれでしょ?不良ばっかいるところ」
「はい。でも俺は色々あって、辞めたんですけど」
「おーそっかそっか」
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堕天使魔夜(プロフ) - 5371号さん» 更新しないのですか?とても楽しみです (2017年9月10日 13時) (レス) id: 5e5aea13cc (このIDを非表示/違反報告)
堕天使魔夜降臨(プロフ) - 5371号さん» はい!どんな登場か楽しみです♪ (2017年8月26日 23時) (レス) id: 5e5aea13cc (このIDを非表示/違反報告)
5371号(プロフ) - 茅皓さん» 大変たくさんのコメントありがとうございます……!いえ、もうぜんぜん個人的にはすごくありがたいです。ありすぎて逆にすみません(笑) またなにかありましたら宜しくお願いします!更新もちょこちょこ頑張ります! (2017年8月26日 22時) (レス) id: 22d7f5151e (このIDを非表示/違反報告)
5371号(プロフ) - 堕天使魔夜降臨さん» 雨宮兄弟推しでしたか!!予定はしていなかったのですが、是非検討します。 (2017年8月26日 22時) (レス) id: 22d7f5151e (このIDを非表示/違反報告)
茅皓 - 沢山の直しを言ってしまいすみません(>_<) 今後物語を読んでいて直しがあったら言ったほうが良いですか? それともスルーしたほうが良いですかね? 以前別の作者さんの作品を読んでいて直しを言っていたら色々とあったので...。 一応確認をと思いまして...。 (2017年8月26日 12時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:5371号 x他1人 | 作成日時:2017年7月22日 7時