ずっと好き

力 ページ42

ピッチャーが投げた

だけど....桜庭君のバットは動かない

「まだある！！桜庭頑張れ！！」

夏目君が一生懸命応援する

桜庭君もそれに答えるようにバットを強く握った

ピッチャーがボールを投げた

次はしっかり振った！！

けど...打てなかった

次のボールも結局打てなかった

『桜庭君...』

「（人1）？俺らが諦めたら駄目だ...信じなきゃ？」

そう廉太郎に言われて気づいた

まだ桜庭君は諦めてない...

それなにお応援する私が諦めてどうすんの？

目的を思い出した私は思わず恥ずかしくなった

『ごめん私....』

「謝るなら応援するぞ？」

そう言って笑った

それからしばらくは桜庭君が打席に立つことはなかった

しかし...

ほとんど決着がついた時だった

「桜庭...最後の打席だ」

先輩はそう言って桜庭君にバットを渡した

桜庭君は頷いて打席に歩いてくる

バッターボックスに立ってピッチャーを見つめた

ピッチャーは少し笑ったかと思うとボールを投げた

ボールは桜庭君の頭に当たった

よたよたしながら立ち上がると...またバットを構えてピッチャーを見つめる

「（人1）....いまだよ！」

真琴の言葉に私以外の人も理解したらしい

真琴がカウントをとりだした

私達は桜庭君の力になるために口を開いた

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