任務先でぶりっ子始めました ４

１３８話 使う物は本物 ページ10

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　Noside



「お前等もまだ俺を認めてないだろう。父ちゃんもこのままじゃ不本意だ」



　不本意も何も、それは自業自得じゃないか。


　Aはそう心の中でツッコんだ。


　そう、確かに認めてもらえないのは彼の自業自得だ。
自分に従わない者には殴る蹴るの暴力を与え、強制的に従わせようとする。そんな奴、誰が認めると言うのだ。


　昨日まであった彼への好意は、今日の言動だけで地へと落ちていった。



「そこでこうしよう！！こいつで決めるんだ！！」


「......ナイフ？」



　鷹岡が指し示したのは対先生ナイフ。



「烏間、お前が育てたこいつらの中でイチオシの生徒を１人選べ。

そいつが俺と闘い、１度でもナイフを当てられたら......お前の教育は俺より優れていたのだと認めよう。

その時はお前に訓練を全部任せて出ていってやる！！
男に二言はない！！」



　胸をドンッ、と叩きながら言う鷹岡に、生徒達の顔はだんだんと晴れていった。


　ただ２名を除いて──。



(出ていく......？本当かなぁ。そんな簡単にはいかないと思うんだけど...)



　眉ねを寄せて難しい顔をしているA。職業柄か、人を疑ってしまう癖があるようだ。


　もう１人は、言わずもがな、烏間だ。



「ただし、もちろん、俺が勝てばその後、一切口出しはさせないし......使うナイフはこれじゃない」



　そう言いながら鷹岡は、地面にポツリと置かれていた黒色の鞄に近づき、その傍らに対先生ナイフを投げ捨てた。


　そして、その鞄から取り出した物は──



((ほ、本物？))


「殺す相手が人間(オレ)なんだ。使う刃物も本物じゃなくちゃなァ」

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