135話 奇遇だね! ページ7
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「...お前等、まだ分かってないようだな。【はい】以外は無いんだよ。
文句があるなら拳と拳で語り合おうか?そっちの方が父ちゃんは得意だぞ!!」
奇遇ですね、私もそっちの方が得意です!!
杉野君にハンカチを濡らしに行ってもらった後、鷹岡がそんなことを言ってきた。それに私は、心の中で同意した。ニッコリ、満面の笑みつきで。
そんな私を見て、鷹岡は訝しげな表情をした。だが、直ぐに何事も無かったかのように表情を繕い、神崎さんにした質問を、次は私にしてきた。
もちろん、その時は怯えた様子を演じる。こんな状況で笑うなんて......私ヤバい奴認定じゃん?(手遅れ)
「お前は隅の方に居たが......、訓練は父ちゃんについてきてくれるよな?」
『......』
私はそれをガン無視することにした。だって相手するのめんどいもん。
静かな沈黙が私と鷹岡の間を通り抜ける。その様子を、他の生徒は固唾を呑んで見守る。
見つめ合うこと数秒...。しびれを切らした鷹岡が、私に向かって拳を振り上げた。
傍に居たカエデが「ヒッ...」と、声を漏らすのが分かった。
後少しで私の顔に拳がぶつかりそうになった時、
「やめろ、鷹岡!」
烏間先生が私達の元へ走りよってきた。
ピクリ、と鷹岡は動きを止める。鷹岡の拳は眼前数cmで止まっていた。
そんなことはどうでもいい。実弥さんに殴られそうになるほうが、数倍恐ろしいし。
烏間先生に目を向けると、向こうも私を見ていたようでバッチリと視線がぶつかった。目が神崎さんの状態を聞いていたので、こくりと1つ頷いた。大丈夫、という意を込めて。
それが通じたのか、烏間先生も1度頷き、それから前原君に声をかけていた。何て生徒想いなんだろうね。
「友田!ハンカチ濡らしてきたぞ!」
『あっ、杉野くぅん!ありがとっ、助かったよぉ』
バタバタと走りながらハンカチを届けてくれた杉野君にお礼を伝え、神崎さんを木陰へと移動させる。
白い肌には良く目立つ赤く腫れた部分に、水で濡らしたハンカチをあてがう。
「っ!」
『ご、ごめ〜ん!染みたよねぇ、大丈夫っ!?』
「大丈夫、本当にごめんね...」
目尻を下げて言う彼女に、私はふるふると首を横に振った。
こんな儚げで美しい彼女を傷つけた鷹岡は、こってりシバかれるべきだと、私は思う!!
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柚子 - 続編移行おめでとうございます!続編絶っっっっっっっっっっ対みますね!頑張って下さい! (2021年12月31日 22時) (レス) id: 12dcb448c9 (このIDを非表示/違反報告)
ネオ - あ、伊黒さんと不死川さんが鬼になってる…。友田ちゃん、それで失神しないあんたはすごいよ…。自信持ちな…(急にお母さんぶってる)小桜さんも、毎回がとっても×100くらい面白いです!いつも応援してます!これからも無理ない範囲で頑張ってください! (2021年12月30日 9時) (レス) @page43 id: 168fbd5e50 (このIDを非表示/違反報告)
柚子 - 友田ちゃん、色々とお疲れ様です…。不死川さんと伊黒さんの説教とか私だったら絶対泣きますね!(・∀・)アハハ いつも友田ちゃんや小桜さんから元気を貰ってます!これからも頑張って下さい!友田ちゃん夏合宿楽しんでね〜! (2021年12月29日 22時) (レス) id: 12dcb448c9 (このIDを非表示/違反報告)
クッキー&クッキー - 修学旅行楽しみです。 鷹岡にどんな風に反応するのかが見どころですね。 やっぱり小桜さんは素晴らしいと思います。 お忙しいとは思いますが、これからも頑張って下さい。 応援しています。 そして毎回毎回コメント返してくれてありがとうございます。 (2021年12月28日 22時) (レス) id: 6665e0c5c3 (このIDを非表示/違反報告)
志麻(プロフ) - 夢主ちゃんはどうやって修学旅行という行事を突破していくのか楽しみ🙃 (2021年12月28日 20時) (レス) @page44 id: 2716732959 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小桜 | 作成日時:2021年11月20日 16時