任務先でぶりっ子始めました ４

１６２話 罪悪感 ページ34

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　教室へ着くと、そこはやはり試験勉強一色となっていた。


　せんせーも皆も必死に勉強していて、ノートや単語帳とにらめっこしている人が多数いた。


　えぇ〜、私って場違いじゃない？


　勉強しない奴がここにいてもいいのだろうか……、と思った時、ふと、あることが頭に浮かんだ。


　いや……、違うぞ。理事長さんは「今回の期末試験、手を抜いてくれ」と言っただけで、勉強してはいけない(・・・・・・・・・)とは言ってない！


　ならば、この場の雰囲気に溶け込みながら勉強して、当日だけ手を抜けばいいんだ！受けてる最中は人の答案なんて見れないしね。


　答案が返ってきたら浮いてしまうかもだけど、それまでは浮くことないよね。よし、胃の痛みが和らいだ気がする。


　ほっ、と一息つき、１番苦手としている英語の教科書を手に取る。


　パラパラとめくりながら、文字の羅列を流し読みする。


　う〜ん！清々しい程に、分からん！！！


　私は大抵のことは１度読めば頭に入ってくる。だが、何故かは分からないけど英語だけはそうならなかった。


　何度読めど書けど、ぜんっっっぜん頭に入ってこないのだ。


　文法も分からんし、スペルも分からん。あれ、やばくね？？


　目を点にしながら教科書を眺めていると、ガタンッという音が聞こえた。


　教科書から目を離し前を見ると、英語の教科書を片手に持った天使(潮田君)が。



「苦戦してるみたいだね。僕で良ければ教えようか？」


『えっ、ホントぉ？』



　思わぬ提案に、パッと顔を明るくさせる。


　潮田君には中間の時もお世話になったけど、教えるの超上手いんだよ。この私でもすんなりと理解できたんだから。


　潮田君には教師の素質があると思う。


　ぜひぜひ教えてもらいたいな、と思ったが、理事長さんの言葉が脳裏をかすめる。


　……潮田君に教えてもらって低い点数とるのは、嫌だな……。


　せっかくのお誘いだけど、今回は断ろう。



『ありがとぉ、潮田君。でもぉ、今回は大丈夫だよぉ！潮田君はぁ自分のべんきょを頑張ってぇ！』


「そう？」



　潮田君は少し悲しそうな顔をしながら、自分の席へ帰っていった。














　うわあぁぁぁぁぁぁん！！！！！ごめんねぇぇぇ！！

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