任務先でぶりっ子始めました ４

１３１話 父ちゃん ページ3

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　......ん？誰だあれ。


　タコせんせーの話に耳を傾けていると、ふと、知らない気配を感じた。この学校の人の気配は大体把握してるから、この学校の人じゃないのかな。それとも新しい人？


　気配がした方を見ると、烏間先生と入れ代わるようふくよかな体型の男性が階段を下りてきた。



「...？誰だ、あの人？」



　私と同じような疑問を抱いた生徒は、他にも多数居たみたいだ。


　そんな私達の動揺をフルシカトして、その男性は両手一杯に持っていたダンボールや紙袋をドサッ、と地面に下ろした。



「やっ！俺の名前は鷹岡明！！今日から烏間を補佐してここで働く！よろしくな、E組の皆！」



　鷹岡と名乗った男は、人当たりの良い笑みを浮かべてそう言った。



「...な、なんだ、ケーキとか飲みモンだ」


「！！ これ、【ラ・ヘルメス】のエクレアじゃん！！」


「こっちは【モンチチ】のロールケーキ！！」



　何か...有名店のスイーツばかりだな。...おいしそ。


　じゅるり、とよだれが垂れそうになるのを我慢して、私は鷹岡さんを観察する。



「いいんですか、こんな高いの？」


「おう、食え食え！俺の財布を食うつもりで遠慮なくな！！」



　磯貝君の問に答えた鷹岡さんは、自身もその場に腰下ろし、言葉を続ける。



「モノで釣ってるなんて思わないでくれよ。お前らと早く仲良くなりたいんだ。

それには...皆で囲んでメシ食うのが１番だろ！」



　鷹岡さんの言ってることに、嘘偽りは無いんだろうな。でも、何て言うのだろうか......。


　嫌な予感しかしない。


　長年の経験からか、私の勘が言っている。




こいつは......危険だ...




　皆は鷹岡さんと打ち解けて雑談をしているけど、私はそれを少し離れた場所で見ていた。


　甘味が大好きな私にとって、目の前に甘味があるのに我慢するのは少々酷だが、今はそれどころじゃない。



「同僚なのに烏間先生とずいぶん違うスね」


「なんか、近所の父ちゃんみたいですよ」


「ははは、いいじゃねーか父ちゃんで。

同じ教室にいるからには......俺達は家族みたいなもんだろ？」



　えっ......、それって必然的に私も含まれてる感じ？


　私に拒否権はありますか...？？

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