97話 うっかり ページ9
.
新種のいじめを発見したところで、私はこの打開策を考える。
本来であれば無視したい場面ではあるが、このままでは拉致が明かない。放っておいても鳴り続けるのがオチ。私の担任はそんな奴だ。
ついでに、といってもこれが本音だが、長谷川の話が聞けない。私はこれをどうしても聞きたいの。せんせーの電話を無視するくらいの価値はあると思っている。
こうした簡単な脳内会議(0.7秒間)を済ませ、マジで不本意ながら、通話ボタンをタップした。
『もしぃもし──』
《「Aさぁぁぁぁぁん!!良かった、出てくれてぇぇ!!」》
う、うるせぇ......!
電話に出た途端、つんざくような声が耳を突き抜けた。スピーカーにしてもないのにこの声量って、どゆこと??
良かったよ、佐藤達から離れた場所で出て。
《「どうしたんですか学校にも来ないで!」》
『ちょっとぉ家の用事でぇ......』
《「またですか!?最近多いですよね、それ。用事って本当ですか??」》
『本当に決まってるじゃあないですか〜』
《「ニュヤァ......、怪しいですねぇ。実に怪しいです」》
本当ですか?本当?ねぇねぇねぇ......、と、ヤンデレ化した彼氏のようになったタコ。
その声を聞き、私はついに声を上げてしまった。
『うるせぇなさっきから!
何でもないからほっといて下さいよ!
善意でしてくださってるのは分かりますが、限度ってものがあるでしょう?
私には私の事情があるんです!
ドサドサと土足で踏み込んで来ないでください!!!』
《「............ニュル?」》
『............あ』
《「..................」》
『..................』
《「...............」》
『ああ〜!すみませぇん!
最近〜、喉の調子が悪くてぇ声が可笑しくなっちゃってるんですよねぇ。
発音が上手くぅ出来なくてぇ、全然違うことをぉ言ってるみたいになるんですぅ。それも喉の調子のせぇですからねぇ。
気になさらないでくださいねぇ。
じゃあ、また学校でぇ〜』
《「いやいやいやいや、流石に無理がありますからね!!??」》
『チッ』
「舌打ち!?」
275人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
小桜(プロフ) - 黒姫の夢さん» 心優しいコメントありがとうございます!本当に励みになります。黒姫の夢さんも書いてらっしゃるんですね。応援してます(^-^) (2021年11月19日 22時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
黒姫の夢 - 更新、無理せずに頑張ってください。 とても面白かったです。 私も暗殺教室の夢小説を書いています。 体に気を付けてくださいね? (2021年11月19日 22時) (レス) id: 89b081aabc (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - おもちさん» コメントありがとうございます。更新楽しみにしてくれているのに、全然できなくてすみません……。来週テストが終わるので、その時は沢山更新します! (2021年11月12日 19時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - 更新楽しみにしています!テスト頑張ってください (2021年11月12日 19時) (レス) id: 31f3b0e2bf (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - カンナさん» コメントありがとうございます。もうすぐテスト期間に入りますので遅くなるかもしれませんが、精一杯頑張って更新します! (2021年10月30日 12時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:小桜 | 作成日時:2021年10月8日 22時