110話 安らかに、お眠り下さい ページ22
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俺がお前を見て調子が狂った訳が、ようやく分かったよ。
鬼狩りのお前、似てるんだよな。華にさ。
雰囲気っつーか、オーラ?いや、どっちも同じか。
それが似てるんだよな、本当。
忌み子と嫌われていた俺に話しかけてくれた華。
鬼である俺にも普通に話しかけてきたお前。
ま、あれが普通かは分かんねぇけどな。俺の感覚では、あれは普通だったんだよ。
俺......これから地獄に向かうよ。
俺が殺した人間は、もう戻らない。
地獄に行くことで罪滅ぼしが出来るなんて、思っちゃいない。
けどこれは、区切りなんだ。
俺が鬼としての''俺''を止めれるように。
そこには華も来てくれるって、一緒に居てくれるってさ。
ホント......俺は恵まれてるよ。
死んでも尚、好きな奴と居れるなんてさ。
華には辛い思いさせるかもしんねぇけど、次、また生まれ変われる、その時まで。
俺はこの罪と共に、あの世で過ごしてゆく。
俺がこうなれたのは、お前のお陰だ、鬼狩り。
ありがとな。
俺以外にも、鬼は沢山存在する。
鬼の俺が言うのも何だが.........頑張れよ。
......じゃあな。
京side end
▼△▼△▼
Aside
『!』
笑って......る?
弱りきっている京にトドメを指そうと、刀を振ろうとした時。
苦し気だった京の頬がふっ、と緩み、吹っ切れたような清々しく、暖かい笑みが顔中に広がった。
「お前のお陰で大事な事を思い出せたよ。ありがとな」
『!!』
京はそれだけ言うと、目をゆっくりと閉じた。
さっきまでの闘気が全く感じられない。京から発せられるのは、穏やかな気ばかりだ。
『そっか......思い出したんだね』
私は出しかかっていた参の型の構えを止め、玖の型の構えに切り替える。
そして、優しく、優しく、京の頸元に刀を寄せた。
『____玖の型 晴朗』
スパンッ、と頸と胴体が離れた。
ごろん、と転がった京の顔が、キラリと光った。
『来世は......善良な人間を全うできますよう......』
さらりと暖かな風が前髪を吹き上げる。
『さてと、任務完了』
______ありがとう
そんな声が、聞こえた気がした──。
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小桜(プロフ) - 黒姫の夢さん» 心優しいコメントありがとうございます!本当に励みになります。黒姫の夢さんも書いてらっしゃるんですね。応援してます(^-^) (2021年11月19日 22時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
黒姫の夢 - 更新、無理せずに頑張ってください。 とても面白かったです。 私も暗殺教室の夢小説を書いています。 体に気を付けてくださいね? (2021年11月19日 22時) (レス) id: 89b081aabc (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - おもちさん» コメントありがとうございます。更新楽しみにしてくれているのに、全然できなくてすみません……。来週テストが終わるので、その時は沢山更新します! (2021年11月12日 19時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - 更新楽しみにしています!テスト頑張ってください (2021年11月12日 19時) (レス) id: 31f3b0e2bf (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - カンナさん» コメントありがとうございます。もうすぐテスト期間に入りますので遅くなるかもしれませんが、精一杯頑張って更新します! (2021年10月30日 12時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小桜 | 作成日時:2021年10月8日 22時