52話 カッコいい貴方は ページ7
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矢田side
ある休日。私は1人でショッピングに出掛けた。また最近、胸...がね大きくなっちゃってサイズが無くなったの。だから今日は、合うサイズを探しにきたってわけ。
「合うサイズがあって、本当に良かった!」
洋服の入った紙袋を見て、ふふっと笑う。
そこまでは良かった......。
「よぉ、ねぇちゃん。可愛い顔してんじゃん。俺等とちょっと良いことしない?」
「ヒッ!」
現れたのは、ガラの悪そうな3人組の男。私は恐怖で竦み上がった。力付くで抵抗するが、成人済みの男に、中学生の女がかなうはずもなく、私は手を引かれて路地裏に連れていかれた。
「いやっ、止めてください!!」
「威勢の良い姉ーちゃんだな。俺嫌いじゃないぜ、そういう女」
「ヒッ...」
どんどん視界が霞んでいくのが分かった。もう駄目......、そう諦めかけた時、
『ねぇ、お兄さん等。その女の人が嫌がってるの、見えないわけ?』
「あ''ぁ?」
救世主が現れた。
彼女は男の人達を、いとも簡単に追い払った。こんな時に不謹慎かもしれないけど、その姿はとても美しいと感じた。
彼女はこちらに向かってきたが、途中ではた、と立ち止まった。
不思議に思って少し見つめていたけど、一向に動く気配がなかった。私は不安になって、話しかけることにした。
私は自己紹介したけど、彼女は「空」と名乗るだけで本名は教えてくれなかった。
「教えては、くれないんですか?」
『それは、ちょっと難しいですね』
「そうですか......」
残念だな、と少し悲しく思ってしまったが、本人が教えたくないのなら仕方無いよね。
はぁ、と心の中でため息をついたとき、『で、では!』と空気を変えるように空さんが明るく言った。
「?」
『もし、もう1度私と貴方が出会った時、その時に貴方に私の本名を教えます。それでどうですか?』
「......! はい!」
その提案に深く、私は頷いた。頬が紅潮していくのが分かった。
『それでは、私はこれで。
また会える日を......楽しみにしていますよ』
空さんは踵を返して路地裏から出ていった。
「カッコいい......」
ポツリと呟いたその言葉に、嘘偽りはなかった。私の学校に、クラスにあんな人がいたらなぁ、なんて。
「また、会いたいな...」
次は本当の名前で、彼女を呼んでみたいな。
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桃花ちゃんの口調が分からない...。
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小桜(プロフ) - 猫耳パンさん» こちらの方でもコメントくださり、本当にありがとうございます😃大好きと言ってもらえて嬉しいです! (2021年11月26日 22時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
猫耳パン - この作品大好きです。 これからも頑張ってください。 (2021年11月26日 22時) (レス) @page14 id: f830ddeebe (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - コメントありがとうごさいます。凜ちゃんの生みの親としてとても嬉しいです! (2021年11月7日 20時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
こぐら - とっても面白いです!凛ちゃんのキャラが個人的に好きです。可愛い...! (2021年11月7日 20時) (レス) @page44 id: c60a472fe3 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - せせせせせええええええええええええさん» とっても嬉しいコメント、ありがとうございます!毎日更新できるように頑張ります! (2021年10月3日 20時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小桜 | 作成日時:2021年8月24日 22時