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65話 いや、誰? ページ20

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渚side


『おはよぉ、潮田くぅん』

「おはよう友田さん」


朝、教室に着くと先に来ていた友田さんが挨拶をしてきた。彼女がこの時間に来ているのは珍しく、僕は少し驚きながらも挨拶を返した。


「友田さん」


ほとんど皆が揃った頃、磯貝君が心配そうな顔をしながら友田さんに話しかけてきた。

そういえば、昨日も友田さんと何か話してたよね。片岡さんも一緒だったっけ。


『どぉしたの?』

「やっぱり昨日のことが心配でさ。本当に浅野に何もされてないの?」


浅野?浅野君のことかな?


「浅野君がどうかしたの?」

「あ、茅野。おはよう」

「おはよ」

『カエデ〜、おはよぉ』

「茅野か、おはよう。
実はな......」


今やって来たのだろう、茅野が話に加わってきていた。他の皆も近寄っては来ないけど聞き耳を立ててるみたい。


「昨日、友田さんが書類を届けに来てくれただろ?その時に浅野に目をつけられたみたいでな、会議の後呼び出されたんだよ」

「あ〜、なるほど」


磯貝君が心配していた理由が分かった。

あの浅野君に呼び出されたんだ。女子に手を出すことはないと思うけど、やっぱり心配はするよね。


『浅野......?えーっとぉ、誰ですかぁ?』

「えぇ...友田さん、昨日会ったのにもう忘れちゃったの?」


苦笑しながら言う磯貝君に、友田さんはコクコクと首を縦に振った。


「浅野っていう子はね、赤い髪をした偉そうな人のことだよ」

「説明が雑すぎるよ...」

「えー、本当のことじゃない?」

「うぅん......否定できないなぁ」


赤い髪っていうのは事実だしね。偉そうかどうかはともかく。


『赤い髪......偉そう...


......あぁ!!』

「思い出した?」

『はぁい!』


思い出せて嬉しいのか、目をきらきらと輝かせていた。


『あの、死んだ目をした腹黒イケメン君のことですねぇ!』

「......ん?」

「あれ、私の聞き間違えかな?」

「と、友田さんもう1回言ってもらってもいいかな?」

『だぁかぁらぁ、死んだ目をした腹黒イケメン君のぉことですよねぇって』


聞き間違えじゃ無かった。あれ、もしかして友田さんって意外と毒舌?


「凄い忠実に表現してる...」

「感心するとこじゃないからね、茅野」

「何か、死んだ目をした腹黒イケメン、のとこだけいつもの喋り方じゃないように聞こえるの俺だけ?」

「安心して磯貝君。僕にもそう聞こえたから」

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小桜(プロフ) - 猫耳パンさん» こちらの方でもコメントくださり、本当にありがとうございます😃大好きと言ってもらえて嬉しいです! (2021年11月26日 22時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
猫耳パン - この作品大好きです。 これからも頑張ってください。 (2021年11月26日 22時) (レス) @page14 id: f830ddeebe (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - コメントありがとうごさいます。凜ちゃんの生みの親としてとても嬉しいです! (2021年11月7日 20時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
こぐら - とっても面白いです!凛ちゃんのキャラが個人的に好きです。可愛い...! (2021年11月7日 20時) (レス) @page44 id: c60a472fe3 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - せせせせせええええええええええええさん» とっても嬉しいコメント、ありがとうございます!毎日更新できるように頑張ります! (2021年10月3日 20時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小桜 | 作成日時:2021年8月24日 22時

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