任務先でぶりっ子始めました ２

８９話 合同任務 ページ44

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『それじゃあ、行ってくるね』


「行ってらっしゃいませ！......ご武運を」


『......うん』



凜からの見送りを受け、羽織をはおって外に出る。それと同時に晴が近づいてきた。



『晴。今日の任務の詳細は？』


「カー！！ 今日の任務内容はー、最近町の外れで起きている神隠し事件について調べることー！鬼の可能性アリ！心してかかれ！」


『了解！』



神隠し事件か......。そういえばクラスの誰かが言ってたな。


確かに、名前の通りならば鬼の可能性が高い。大方、その場に訪れる人という人を喰いつくしているのだろう。


晴の話によると、これまでの被害は老若男女問わずに２０名程。とある場所に出掛けていったっきり戻ってこないのだそう。


町の外れ──都内に比べたら栄えているとは言い難いが、そこそこ活気のある場所だ。そこにある森の奥に１つのお屋敷があるらしく、消えた人々は皆その場に行ったということだ。



『それにしても...、その人達は何故わざわざ森の奥にある屋敷に？普通なら寄り付かなさそうなものだけど......』


「被害にあった人の知人達は口を揃えて同じことを言うらしい！

''自分の家族が待っている'' ってな」


『自分の家族......』



と言うことは、それなりに頭の冴えている鬼ということだ。手間をかけて呼び出しているんだからね。


......これはかなり厄介な相手になりそうだな。


民家の屋根を使い、飛び移りながら先へと進む。
それを繰り返すこと、早２０分。東京から出て、神奈川県までやって来た。


ここは私の担当地域じゃないんだけどな......。


神奈川県には一般隊士が数名いるはずなんだけど...、その人達はどうしたのかな？



『晴〜。神奈川県には一般隊士数名が受け持ってたはずなるだけど、その人達はどうしたの？』


「カー！もちろんいる！今日は合同任務だ！」


『何だそうなんだ〜......じゃねぇよ！！早よ言えや！』



合同任務なら集合時間とかあるでしょ？知らないんだけど、もしとっくに過ぎてたらどうするの。柱としての威厳がなくなる！


元から無いかもしんないけど。


クッソぉぉぉ！凜とバスケの練習(？)なんてしてる場合じゃなかった！！

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