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29話 大部屋にて2 ページ32

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「どういうことだよ、カルマ」


カルマの発言を不思議に思ったのは前原だけじゃないらしく、他の男子達もポカーンとした顔をしていた。


「彼女さぁ、あの身なりであの口調。完璧にぶりっ子に見えるじゃん」

「ああ、そうだな」

「だから中々話しかけらんないんだよなー」


皆は苦々しい顔で呟く。だがその中で─カルマ以外の中で2名だけ、別の顔をしていた。


「僕もカルマ君の言ってること、ちょっと分かるな」

「あ、僕も思います」


渚と竹林だった。大人しい2人からの意見に、皆は驚愕の表情を隠せていない。


「ぶりっ子って性格が悪い、とか思いがちだけどそうじゃない子もいるんじゃないかな?」

「さっすが渚君。俺の言いたい事が分かってる〜」


カルマがピュ〜と口笛を吹く。


「友田ちゃんって面白いんだぜ。ね、渚君?」

「僕に振らないでよ...。確かに面白いけどさ」

「何何?どんなことがあったの?」


前原は興味津々といった様子で渚に詰め寄る。磯貝達も興味があるようで、耳を傾けている。


「えーっと...あれは、中間テスト前のことなんだけど─」


皆からの圧に負けた渚は、渋々だがテスト前のことを話し始めた。


「─ということがあったんだ」


渚はそう絞め、話が終わった。部屋の中はシーンとしていて渚は、


(あれ?何か失敗しちゃった??)


とビクビクしていた。だが彼のそんな思いは杞憂だったようで...。


「「ブッ...ハハハハ!!」」


部屋中に笑い声が響いた。渚はそれに驚き、カルマは「だよねー面白いよねー」と頷いていた。


「何だよその珍回答!」

「寺坂よりも馬鹿なんじゃないか?」

「あぁ''?」


これにより、Aの印象は少し、ほんの少しだけだが変わったようだ。【馬鹿なぶりっ子】という風に。


「ね、面白い子でしょ。俺が気になってる理由分かった?」

「ああ、良く分かったわ」


まだ目を涙を溜めながら笑っている前原は、そう答えた。


(俺も今度話しかけてみようかな〜)


等と考えながら。


──────


『ヘックシュン』

「大丈夫?風邪?」

『ううん、大丈夫だよ、カエデ』

(何だろ......嫌な予感がする...)

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小桜(プロフ) - 実力派エリートさん» うわぁぁ! 本当ですね、間違ってました! 私も英語が苦手なことがバレてしまった……。こんな初歩的なのに。教えていただきありがとうございます。訂正してきます! (2022年8月21日 10時) (レス) @page14 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
実力派エリート - コメント失礼します。 I'm tired. の訳は私は疲れています。ではないでしょうか。違ったらすいません。 (2022年8月21日 10時) (レス) @page14 id: 4673827fe0 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - nanako1201さん» ご指摘感謝いたします! 訂正しました! (2022年7月25日 17時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
nanako1201(プロフ) - 鬼にならんことをだと鬼になりますようにって意味になっちゃいますよ! (2022年7月23日 18時) (レス) @page16 id: ced68c71ce (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 如月蛍さん» コメントありがとうございます!ご指摘感謝致します。全部直してきました!また誤字脱字がありましたら教えて頂けると有難いです......!(ボソッ (2021年8月17日 22時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小桜 | 作成日時:2021年6月28日 22時

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