キンプリちゃんの不調 (ページ50)

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紫耀side

廉と、それから岸くんも一緒にリビングから少し離れた部屋に移動した

「廉、さっき自分がどれだけ酷いことしたか分かる？」

廉の怒りをさらに大きくするようなことはしたくないからできるだけ優しく声をかける

さすがの廉もその自覚はあるのか口で応えてはくれなかったけど目に涙を溜めて俯いた

「海人あんなに謝ってるのに、どうしても許せない？」

下を向いたままの廉から涙がポタポタと落ちる

廉が泣くのは珍しい。。

今日仲直させるのはやめといた方がいいな

そう思い始めた瞬間、廉が口を開いた

廉「許したいけど泣、できひん、ｸﾞｽｯ」

「それはなんで？」

それから廉が涙ながらに話してくれたのは、

あのゲームは大好きな玉森くんとよく一緒にする大事なものであるということ

勝手に使われて、データまで消されて、腹が立った

そう話してくれた

「それは腹立つよなあ。嫌だったね」

廉「ｸﾞｽｯ、ﾋｯｸ(ｺｸｯ)」

「廉、よく聞いて。今すぐ許せとは言わない、でもね、時間かかってもいいから廉が許してあげないとずっと苦しいままだよ。廉も、海人も。」

正直この言葉で廉なら納得してくれるかなって思った

これで一件落着！そう思ったけど

廉「ｸﾞｽｯ……いいよな海人は。」

廉がボソッと呟いた

俺はハッとした。廉の気持ち全てがこの言葉に込められているような気がしたから

謝らないといけない俺の方だったね

つづく