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「八雲」
「はい？」
朝食を終え、食器洗いをしていたら
消太さんが奥の方で声をかけてきた。
手を拭いて彼の方へ行くと、タンスの引き出しの中をゴソゴソと探っている。
暫くして、こちらを振り返り
私の目の前に拳を突き出してきた。
「……ど、どうしたんですか…？」
「手、出せ」
「……？」
言われた通りに手を差し出すと、
消太さんはその上で握りしめていた拳を広げた。
何かが手の平に落ちて、見てみると
チャームも付いていない新しい鍵が一つ。
これってもしかして、消太さんの____
咄嗟に、ばっ、と顔を上げ消太さんを見ると
彼は頭を掻きながら淡々と話し始めた。
「……ずっと渡してなかったと思ってな。
好きな時に来てくれていいから、持っとけ」
「いいんですか……！？！」
「いいよ。
………ただし、俺がいない時に来るならちゃんと連絡すること。」
「します！！約束します！……嬉しい…！！」
ありがとうございます、と笑ってお礼を伝えると、
頭をぐしゃぐしゃと撫でられた。
そのまま手が頬まで降りてきて、
軽く触れるだけのキスをされる。
見た目や普段の様子からして、こういうスキンシップは絶対無いんだろうな〜と
付き合う前はずっとそう思っていたが
意外にそうでも無かった。寧ろ多い。
「………消太さん、私の事好き？」
「…何を今更……分かりきってることは二度も言わん、不合理だ。」
「むぅ………消太さんのケチ〜……」
「誰がケチだ」
ムッとした顔をして、私の頬を抓る消太さん。
気持ちを確かめるのは大切なことですよ〜、と
呂律がうまく回らない口調でそう訴えると
頬を摘んでいた手を離し、
私の肩に額をぐりぐりと押し付けながら小さく呟いた。
「………………………好きだよ。」
耳まで真っ赤にしながら言ってくれた消太さんが可愛くて、つい「もう一回」と強請ったら、
調子に乗るなと再び頬を抓られ、私は必死になって謝ったのだった。
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ユキヒメ - すごく面白いです！最後まで書いてくださってありがとうございます！あと！最後の英文読めない！ (2021年7月21日 20時) (
レス) id: 797b99f061 (このIDを非表示/違反報告)
りめろん(プロフ) - 水無月さん» お褒めの言葉、大変恐縮です(;_;)こちらこそ、最後までお付き合いいただきありがとうございました…！また是非読んでやってください！；；； (2018年9月30日 10時) (レス) id: f302ac9b96 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 作者様お疲れ様でした！描写がすごく丁寧で大好きな作品です！また読みに来ます〜！幸せな時間をありがとうございました！！ (2018年9月30日 1時) (レス) id: 7cfb39076a (このIDを非表示/違反報告)
りめろん(プロフ) - 鱈子。さん» 早速読んでくださったんですね…！ありがとうございます(;_;)気に入っていただけたようで私も嬉しいです、頑張ります！ (2018年9月25日 0時) (レス) id: f302ac9b96 (このIDを非表示/違反報告)
鱈子。(プロフ) - りめろんさん» 早速読んできました、もう最高です( ; _ ; )これからも更新楽しみに愛読させていただきます！頑張ってください( ; _ ; )！ (2018年9月24日 23時) (レス) id: 598ba70e2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りめろん | 作成日時：2018年8月21日 18時
