Memories 14 ページ4
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夏休みは始まったばかりだというのに、汗がじんわりと滲むほど暑い。
そのせいか、やけに相談室までの廊下が長く感じた。
数日前に彼女と会って交わした約束。
林間合宿までの間、彼女の花の面倒を見ることになってしまった。
いや、でもこれは自分から提案したことだから文句は言えまい。
そう思いつつも、やはり厄介な役回りを引き受けてしまった、と少しばかり後悔はしていた。
俺は何を調子に乗ってあんな事を…。
《火曜日・金曜日》と書かれた張り紙が貼られているドアの前まで来た。
鍵を開け部屋に入れば、蒸した空気が押し寄せる。
窓の縁に沿って置いてある植木鉢の中の土は、案の定カラカラに乾いていた。
「……まずは換気、か」
何故かこの教室だけ窓が外開きの古いタイプになっている。
外の空気は室内よりもいくらか涼しく、風も丁度良い温度。熱篭もりを解くには最適だ。
ここへ来るついでに汲んでおいた水を植木鉢の中へそっと流した。
土に染み込んでいく様子を、ただじっと眺める。
" 怪我だけはしないでね "
消え入りそうな彼女の声が何処からが聞こえてきた。
彼女がそこまで心配する理由は他にある筈だ、と俺はずっと考えている。
かといって、それを詮索するように問い詰めることはしたくなかった。
自分の彼女に対する酷い執着心に、我ながら気持ち悪いとさえ感じる。
あの泣きそうな顔を見るだけで、思い出すだけで、居てもたってもいられなくなるのだ。
俺がどうにかしてやれる訳でもないのに。
「………………吸いてぇ、」
いつしか彼女に取り上げられた煙草の赤いパッケージが、ふと頭に浮かんだ。
返してもらおうにも、今言えばきっとまた「合宿前なのに」だとか、あーだこーだ怒られるだろう。
この花が咲くまで。
それまでは我慢しようか、と心の隅で一人呟いた。
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りめろん(プロフ) - mokatiさん» 不具合があったようですね、運営の方からメールが届いていました…！ご丁寧に教えてくださりありがとうございます(;_;) (2018年12月10日 7時) (
レス) id: f302ac9b96 (このIDを非表示/違反報告)
mokati(プロフ) - 初コメ失礼します。運営側のトラブルなので大丈夫だと思いますよ。コメント等がもどるかはわかりませんが、バグが治りしだい普通に使えるようになりますよ。 (2018年12月10日 2時) (レス) id: fdecbe79f7 (このIDを非表示/違反報告)
りめろん(プロフ) - いゆ。さん» ありがとうございます(;_;)頑張らさせていただきます…！！ (2018年11月9日 20時) (レス) id: f302ac9b96 (このIDを非表示/違反報告)
りめろん(プロフ) - Soleilさん» Soleilさんが毎回下さるコメントに、私もニヤケが止まりません笑 これからのお話も是非楽しみにしていただければと思います…！ (2018年11月9日 20時) (レス) id: f302ac9b96 (このIDを非表示/違反報告)
いゆ。(プロフ) - 早く続き見たいです！！！これからも頑張ってくださいね！！ (2018年11月9日 20時) (レス) id: ee86b7a9ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りめろん | 作成日時：2018年10月24日 0時
