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私はその女性の元へ駆け寄ると、しゃがんで声を掛ける。
幸い出血は無いようだが、苦しそうな顔をして、足と腹部を押さえていた。
「大丈夫ですか？」
「…っ、あ、足を捻っちゃったみたいで、……！」
「肩貸すから、痛くない方の足で頑張って立ちましょう。
掴まって、」
他の人みたいに逃げればいいじゃない。
お節介焼いて、何してんだか。
私の中にいる悪魔がそう囁くのが聞こえたが、私はその声を振り切ってその人の体を起こした。
お腹が異様に膨らんでいるのを見て、血の気が引く。
あぁ、この人妊婦さんだ。この大きさだとまだ5ヶ月かそこいらだろう。
立ち上がろうとしたその時、再び爆発音がして振り返ると、更に隣の店に火が燃え移っていた。
火の粉が舞い、熱風が飛んでくる。
「も、もう私はいいですから……逃げて、…！
じゃないと貴女が……」
涙をボロボロ流しながら、女の人がそう私に訴えてきた。
その顔を見てすぐ脳に映し出されたのは、優しく笑う男性と、母子手帳を手にする彼女の " 記憶 " 。
感情に動かされて、気付かないうちに個性を発動させてしまう癖に嫌気が差した。
私は彼女の頬をこれでもかというほど力を込めて引っ叩く。
「馬鹿！！！！！何言ってるの！！！！
私が今助けようとしてるのは1人だけじゃないのよ！！？！
母親でしょ！！しっかりしなさい！！！」
大声で怒鳴ると、その妊婦さんは頬に手を当てながら目を丸くしてこちらを見ていた。
必死になると命令口調になるあたり、性格が出ちゃうんだよな、なんて落ち込んでいる暇も無くて。
歩いている間も、妊婦さんはまた泣きながら「ごめんなさい」と何度も謝るので、私はひたすら頑張れ、と声を掛け続けた。
ヒーローも漸く到着した所で、その妊婦さんを救急隊へ引き渡す。
怪我はないかと問われたが、私は平気だということを伝え、すぐにその場を立ち去った。
あの妊婦さんや、お腹の赤ちゃんは無事かどうか、色々気になる部分はあるが時間が無い。
腕時計に目をやると、約束の時間から1時間も経っていた。
「………説教確定」
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りめろん(プロフ) - Soleilさん» そこまで楽しんでいただけるとは…！嬉しい限りです…！ありがとうございます！(;_;) (2018年10月18日 8時) (
レス) id: f302ac9b96 (このIDを非表示/違反報告)
Soleil(プロフ) - もうお話が好きすぎて、いつも更新楽しみにしてます！楽しみすぎて、数件通知の更新が来たら、1番最後にこの小説を見るようにしてます！これからも頑張ってください！ (2018年10月18日 7時) (レス) id: bc0cb92646 (このIDを非表示/違反報告)
りめろん(プロフ) - ユウさん» わわ！ありがとうございます…！！そう言っていただけて嬉しいです(;_;) (2018年9月29日 22時) (レス) id: f302ac9b96 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - はじめまして！いつも楽しく拝見させていただかせています！自分も相澤先生推しでこの小説大好きです！これからも楽しみにしてます！頑張ってください！ (2018年9月29日 21時) (レス) id: 74ed180ca2 (このIDを非表示/違反報告)
りめろん(プロフ) - 水波さん» ありがとうございます！これからもぜひ読んでくださると嬉しいです(´ｰ｀) (2018年9月25日 18時) (レス) id: f302ac9b96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りめろん | 作成日時：2018年9月24日 19時
