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「…………何だ、教えてもらえると思ったのか？」
「……え…そんな匂わせといて言わないわけ…？」
素っ頓狂な顔をしているであろう私を見て、消太は薄く笑みを浮かべる。
だったら口に出すな、と苛立つ気持ちをなんとか抑えながら、彼をきつく睨みつけた。
そんな事もお構い無しに、なんと煙草の箱をポケットからひょいと取り出してきて。
まさかここで吸う気なのか？違うと信じたい。
「ここ禁煙ですけど」
「あ？……窓開けりゃいいだろ」
「学校の規則守れって言ったの誰よ…
…実技試験、貴方も出るんでしょ。吸ったらまずいんじゃないの？」
「……1週間は我慢した」
「じゃあ尚更続けなきゃね。没収です」
机に置かれた煙草の箱を取り上げると、彼は心底嫌そうな顔をする。
深い赤色のパッケージは、昔彼が持っていたのと全く一緒のもの。
ずっと持ち歩いていたのを思い出した。
あぁ、いけない______忘れなきゃいけないのに。
私はその思考を無理やり遮断させる。
彼を見上げれば、何故か目が合った。
「………………………何？」
「……………煙草の代わり」
「……口寂しいなら、紅茶入れ直すから。
……………私達、もうそんな関係じゃないよね？
さっきからおかしいよ、消太」
鼻先が付いてしまいそうなほど縮められた距離。
傍から見たらキスの手前だろう。
いや、実際そういう流れになりかけてたのだ。
私が反論すれば、消太は黙って顔を遠ざけ、ソファーに座り直す。
彼をまだ好きだと、私がしっかり確信出来ていたら。
受け入れてしまえば簡単な事なんだろうけど、私はどうしても彼の行動が許せなかった。
私はずっと忘れられなくて苦しいのに、なぜ貴方はそんなに普通なの？
口寂しいから、なんていう理由で軽々しくキスしようと思ったの？
直接聞けるはずもなく、私はただ心の中でどこにもやれない怒りをぶつけるしかない。
泣きそうになるのを堪えて俯けば、消太は静かに立ちあがってからこう言った。
「………俺は元々おかしいよ」
彼が出て行った後の室内は、酷く静かだった。
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りめろん(プロフ) - Soleilさん» そこまで楽しんでいただけるとは…！嬉しい限りです…！ありがとうございます！(;_;) (2018年10月18日 8時) (
レス) id: f302ac9b96 (このIDを非表示/違反報告)
Soleil(プロフ) - もうお話が好きすぎて、いつも更新楽しみにしてます！楽しみすぎて、数件通知の更新が来たら、1番最後にこの小説を見るようにしてます！これからも頑張ってください！ (2018年10月18日 7時) (レス) id: bc0cb92646 (このIDを非表示/違反報告)
りめろん(プロフ) - ユウさん» わわ！ありがとうございます…！！そう言っていただけて嬉しいです(;_;) (2018年9月29日 22時) (レス) id: f302ac9b96 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - はじめまして！いつも楽しく拝見させていただかせています！自分も相澤先生推しでこの小説大好きです！これからも楽しみにしてます！頑張ってください！ (2018年9月29日 21時) (レス) id: 74ed180ca2 (このIDを非表示/違反報告)
りめろん(プロフ) - 水波さん» ありがとうございます！これからもぜひ読んでくださると嬉しいです(´ｰ｀) (2018年9月25日 18時) (レス) id: f302ac9b96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りめろん | 作成日時：2018年9月24日 19時
