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何も言わずに背を向け、どこかへ行ってしまった彼だが、暫く経たないうちに両手に何か抱えて戻ってきた。
ドサドサと目の前に置かれたのは、大量の文庫本や参考書。
よく見ると、それらは心理学や精神論等々、カウンセラーに関わる内容のものばかりだ。
私は訳が分からず、ただ目をぱちくり瞬かせる。
「学校もそうだが、保健所や病院、他にも色んな施設で働いてるカウンセラーがいる。
大体そういうところからの募集は臨床心理士の資格が条件になるのが多い。
一見、カウンセラーってのは資格が必要に思えるが、名乗るだけなら誰でも出来るものでもある。
つまり、お前も今から『私はカウンセラーです』って言っても、別に問題にはならないってことだ」
「……じゃあ、雄英でスクールカウンセラーできちゃうかもってこと？」
「そういうことだな。
カウンセラーは人の悩みをただ単に聞いてやるだけじゃなくて、より的確なアドバイスや助言もしてあげなきゃならない。……要はその人の人生にも関わってくるわけだ。
その為にはまず、基礎の勉強から始めること。」
積み上げられた本を軽く叩きながら、彼がそう言った。
成程。だから心理学なのね。
雄英出身のヒーロー兼教師となると、ここまで可能性を導かせる程の頭脳が出来上がるのかと恐ろしく思えてしまう。
だけど、まだ1つ気になることがあった。
「……ねぇ、
どうしてここまでしてくれるの？合理主義の貴方らしくなくて…こう、何というか…」
「……雄英のカウンセラーが、こんなポンコツだったら困るだろ」
「…………………あっそ。
ポンコツに世話を焼くなんて、とんだお人好しね」
「お人好し？……お前に言われたくない」
鼻で笑いながらも、目の前の本を手に取り読み始める彼に、こっそり舌を出して睨み返した。
お互いいい歳して、くだらない喧嘩ばかりで情けない。再会してまだそれ程時間も経っていないというのに。
たまに視線を上げると、彼と目が合う。
「ありがとう」と声を出さずに口を動かすと、呆れたように目を逸らされた。
本当に不思議だ。
貴方とまたこうやって、会話をすること。
一緒に何かをすること。
胸の奥がじん、と熱くなる。
駄目、と自制をかけた。
この感情は閉じておかなければならない____絶対に。
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りめろん(プロフ) - Soleilさん» そこまで楽しんでいただけるとは…！嬉しい限りです…！ありがとうございます！(;_;) (2018年10月18日 8時) (
レス) id: f302ac9b96 (このIDを非表示/違反報告)
Soleil(プロフ) - もうお話が好きすぎて、いつも更新楽しみにしてます！楽しみすぎて、数件通知の更新が来たら、1番最後にこの小説を見るようにしてます！これからも頑張ってください！ (2018年10月18日 7時) (レス) id: bc0cb92646 (このIDを非表示/違反報告)
りめろん(プロフ) - ユウさん» わわ！ありがとうございます…！！そう言っていただけて嬉しいです(;_;) (2018年9月29日 22時) (レス) id: f302ac9b96 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - はじめまして！いつも楽しく拝見させていただかせています！自分も相澤先生推しでこの小説大好きです！これからも楽しみにしてます！頑張ってください！ (2018年9月29日 21時) (レス) id: 74ed180ca2 (このIDを非表示/違反報告)
りめろん(プロフ) - 水波さん» ありがとうございます！これからもぜひ読んでくださると嬉しいです(´ｰ｀) (2018年9月25日 18時) (レス) id: f302ac9b96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りめろん | 作成日時：2018年9月24日 19時
