Memories 1 ページ2
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欠けた月の周りに纏う雲が透けて輝き、細かい砂を散らしたように星も瞬いている。
美しいその景色を、小さいアパートのベランダから眺めていた。
ふと視線を隣に移すと、煙草をふかしながらただ奥の方を見つめている消太の姿が。
私は彼の横顔が好きだ。隣にいる時しか見ることの出来ない、「特別」なものに思えるから。
私は少しだけ消太との距離を詰め、こう話し掛けた。
「消太は、私が死んだらどうする？」
「………急に何だ。つーか早よ寝ろ」
「いいから聞かせて、そしたら大人しく寝るから〜」
教えて教えて〜、と駄々を捏ねていると
消太は深く溜息をつき、気怠そうにこちらを向いた。
嗚呼、なんて綺麗な瞳なんだろう。
繊細で奥深い黒色は、彼そのものを表しているかのようだった。
何色にも染まらない、真っ黒な_____
そんな風に見蕩れていると、消太が口からフッ、と煙を吐き出した。
一気に視界が灰色に塞がれ、驚いて目を閉じる。
と同時に、その煙を吸い込んでしまったようで、激しく咳き込んでしまった。
体に悪そうなその香りが鼻を刺す。
「…ッ、ｺﾞﾎ、ちょ、っと…！！何……！？」
「…………お前より先に、俺が死ぬよ」
消太がゆっくりと口を動かし、そう答えた。
涙目になりつつ彼を見上げると、月明かりに照らされるその表情は、何処か笑っているようだった。
「………質問の答えになってない、」
「俺が先に死ぬんだから、そんなの分かんねぇって事だ」
「随分と自信ありげね……何故言い切れるの？」
再び聞き直すと、消太が顔を寄せてきて
開きかけの私の唇にそっと口付ける。
離れてからまた目を合わせると、その瞳が真っ直ぐに私を捉えて離さない。
消太は小さくも、はっきり聞こえる声で呟いた。
「そんな事、させる訳ないだろ」
「………カッコイイ事言うね。惚れちゃうかも」
「……煩い」
「そうやって照れる所も、可愛くて好き」
彼の肩に手を掛け、私からキスをする。
消太は片手の指で挟んでいる煙草を、コーヒーの空き缶に押し付けて消すと、私の頬を撫でた。
それからまた顔を近付けて来たので、
今度はちゃんと目を閉じて構える。
貴方とのキスはいつも、苦くて甘い。
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りめろん(プロフ) - Soleilさん» そこまで楽しんでいただけるとは…！嬉しい限りです…！ありがとうございます！(;_;) (2018年10月18日 8時) (
レス) id: f302ac9b96 (このIDを非表示/違反報告)
Soleil(プロフ) - もうお話が好きすぎて、いつも更新楽しみにしてます！楽しみすぎて、数件通知の更新が来たら、1番最後にこの小説を見るようにしてます！これからも頑張ってください！ (2018年10月18日 7時) (レス) id: bc0cb92646 (このIDを非表示/違反報告)
りめろん(プロフ) - ユウさん» わわ！ありがとうございます…！！そう言っていただけて嬉しいです(;_;) (2018年9月29日 22時) (レス) id: f302ac9b96 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - はじめまして！いつも楽しく拝見させていただかせています！自分も相澤先生推しでこの小説大好きです！これからも楽しみにしてます！頑張ってください！ (2018年9月29日 21時) (レス) id: 74ed180ca2 (このIDを非表示/違反報告)
りめろん(プロフ) - 水波さん» ありがとうございます！これからもぜひ読んでくださると嬉しいです(´ｰ｀) (2018年9月25日 18時) (レス) id: f302ac9b96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りめろん | 作成日時：2018年9月24日 19時
