第66話 ページ35
ほこらの横での話を一通り終えた清継達は化原を先頭に立ち入り禁止の看板が貼ってある山道を登っている。
リクヤは化原からかなり離れた最後尾をリクオ達と固まって歩いている。
「うふふ…行く前は心配でしたけど旅行って楽し〜ですね〜
梅若丸なんて妖怪知ってます〜?」
と牛鬼組のヤツらの罠に既にハマっているとも知らないつららは初の旅行を楽しんでいる。
「つらら。ここ…少し危ないかも知れない」
『俺は少しどころな様な気がするんだけどなぁ…』
「え?」
ふたりの発言につららは驚く。
…そーいえば……化原って馬頭に操られてたんだよなぁ…
実際なんかすごく細い糸みたいなのが上に伸びてあるし……
上、見上げてたら馬頭発見できるかな…
『…うえをむ〜いて、あ〜るこ〜〜
なみだがこぼれ〜ないよ〜〜…!!ゴッホッゲホッ』
自然と上を向きたくなるような曲を歌いつつ、実際に上を向いて歩いていれば、案外容易く馬頭を見つけた。
一瞬驚いて、思わぬところで唾を飲み込んでしまい咳き込んだ。
「ちょっと!リクヤ大丈夫!?」
『うぇ…唾が、変なと"こ"に…っゲホッ、はい"った"……ケホッ』
涙目になりながらも、ゆっくりと息を整えていく。
『はぁっ…死ぬかと思った……』
「ばか…上を向いて歌ったりするから……」
『唾が変なところに入るなんて盲点だった…』
謎の哀愁を纏ったリクヤはふっと視線下に落とした。
……実はさっき、上を見上げた時に馬頭と目があってしまった気もしていたのだが、気づかれてなかっただろうか………っ
気づかれてたら、これが終わって帰った馬頭が慌てて牛鬼達に報告するんだろうな…
馬頭可愛い。
なでなでしたい。ツインテの髪をポニテに括り直したい。
あと、俺の膝の上で寝てくれ。
一緒に電車とかに乗ってて、あくびした馬頭が「ごめんね…ちょっと…眠くなってきちゃった…」とか言いつつ俺の膝にくるんだろ!?知ってる!!
それを正面から見てイライラしてる牛頭を鑑賞するのもいいよね!!
俺の馬頭とるんじゃねぇ的な目で見て欲しいよね!!蔑んで!!もっと俺を蔑んで!!!!!
…あ、誤解のないように言っておくが…俺は断じてMではないぞ?MにもSにもなれるオールラウンダーだぞ?
おっと…いま妖怪先生の牛鬼の説明が終わったみたいだ。
…何も聞いてなかったが、まぁいいか。
それよりもこれから俺はどうすればいいんだろうか……
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作者名:たこ焼きんぐ | 作者ホームページ:http://id54.fm-p.jp/579/TAKOYAKINNGU/
作成日時:2017年9月14日 18時