第60話 ページ26
「つらら…おーい、つらら
氷が…氷がでかいよ…」
飛ぶように帰ってきた氷麗が作った特大氷嚢を頭に載せたリクオが唸る。
『なるほど…これは重すぎる
水何リットル分なのこれ…』
そんなリクオの隣で特大氷嚢を乗せたリクヤは呟く。
しばらく2人でキンキンし過ぎる頭に耐えているとガラガラと襖が引かれた。
「やっと来た…つらら…これをどーにか…え」
「カ…カナちゃん!?」
「家長くんばかりじゃないぞ!」
そう言ってカナの後ろからみんながヒョイと顔を出す。
「ど…どうしたのみんな」
「どうしたのじゃない!!
情けないぞ奴良くん!!風邪をひくのはバカな証拠だ!!」
『おい…清継お前…見舞いに来たのか殴られに来たのかどっちだ』
額に青筋を浮かべながら唸るように言った。
「ありがたいと思え!!マイファミリー」
『…ちょっとカナ、この氷のけてくんない?』
「…?良いけど…」
カナがあの重たい氷嚢をのければ、のそりと起き上がり、布団からでて清継を殴るべく一歩足を踏み出した。
そのまま数歩歩いたが、あと少しで清継の胸ぐらを掴めると言うところまで来たところで限界を迎え、手をついた。
「ちょっとリクヤくん!!大丈夫!?」
『…っそ…!!き…ょつぐ…を、なぐれ……ねぇ…』
手を付き苦しそうに息をしながら、体を震わせた。
「…それ早く寝たほうがいいんじゃないっすか?」
「そーだよ寝たほうがいいよ!」
そんなリクヤを見たみんなが慌てて、再び布団に入ることを勧めてくる。
しかし、自力で戻れるわけがないので足をリクトが、手を清継が掴んで布団まで運んだ。
ふたりで必死に引っ張って引きずらないように努めるも、リクヤの尻は畳とすれすれのところを移動する。
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作者名:たこ焼きんぐ | 作者ホームページ:http://id54.fm-p.jp/579/TAKOYAKINNGU/
作成日時:2017年9月14日 18時