第57話 ページ17
「よぉお目覚めかい、自称…三代目さんよぉ…」
旧鼠がかなりふかふかなソファーに座りながら言う。
「まさか…君妖怪?奴良組の人なの?」
そう問いかけたリクオは旧鼠の部下に右頬を蹴られた。
どうやら、自分たちのボスが下に見られたことがかなり気に食わなかったのたようである。
そうしてリクオの顔が蹴られた瞬間、リクオの傍で姿を隠していたリクトは鏡花水月を解いて部下をぶん殴ってやろうかと思ったが、グッと拳を握り耐える。
「オレたちはもっともっと"悪行"をでかく展開する。そのためにゃあ…おめーみたいなヌルい奴に継いで欲しくないんだよ」
そう言ったかゆの近くに意識のないゆらとカナがドサリと落とされた。
その後から後ろにいる下っ端に押されてコケるようにリクヤが出てきた。
「リクヤ!」
『リクオ!!』
僕が名前を呼べばリクヤも名前を呼び返してくれた…良かった無事だったんだ。そう思ったけれどリクヤの着ている服はボロボロで…何だか血だらけだった。
「…っひどい怪我だよ!!」
『…心配すんな、俺は大丈夫だから』
リクヤがふっと微笑んだ。
…ずるいよリクヤは……いつもいつもそうやって…自分がどんなに辛くても僕らの事を思ってて…今もそうやって僕を安心させようとする………
…それに気づいているのに、どうしていつもその笑顔に安心させられてしまうのだろう……
リクオも力を抜いて息を吐いた。
「組のためだぜ、てめぇの率いる古い妖怪じゃこの現代は生き残れねぇ。
オレたちが…奴良組を率いてやる、おめーは手を引け…3代目を継がないと宣言しろ!!
いいな!?」
「3代目!?そんなのどーでもいいよ!!今すぐ離してあげてよ!!3人を!!」
3人の様子を見てリクオは持ち前の優しさでそう言った。
しかし、なりたかった3代目の座が軽率に扱われたその怒りを旧鼠はリクオにぶつける。
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作者名:たこ焼きんぐ | 作者ホームページ:http://id54.fm-p.jp/579/TAKOYAKINNGU/
作成日時:2017年9月14日 18時