全員、嘘つき（2）

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あー
今日は真っ直ぐ家に帰るはずだったのにー






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涼介「すいません！生、2つお願いします！」






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初めて見る
スーツ姿




ネクタイを緩める仕草を見るのは
あなたが初めてじゃ、






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涼介「ハラヘッター！」






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ないはず？






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「いつコッチ帰って来たの？」



涼介「ん、あーっとね…1、2、3ヶ月前！」



「ふーん」






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なんで、
何も言わずにオーストラリアに留学したのか





なんで、
花火大会の日、変な事ばっか言ってたのか






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涼介「大ちゃんと、なつきは元気？」



「うん、相変わらず」



涼介「そっか」






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何も知らない
今の、あなたのこと




何が好きで
何が嫌いで
何が趣味で
何が得意で


この5年、で全部変わってる気がした






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なーっんか、
もっとイケメンになっちゃって






こりゃーモテてるな





随分変わっちゃったな






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涼介「ジロジロ見すぎ」



「…ん？あ、バレてた？」



涼介「バレバレ」





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あの頃の私たち、くらいの年の女の子が
生ビールを持ってきてくれた






その女の子は、
涼介の顔にガン見




…私もこんな顔で見てたのかな？
なんて、






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同僚らしい女の子がいる所に戻ると
ワーワーギャーギャー、言ってる




でも、あの涼介が
そんな事気づくはずなく、






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涼介「カンパーイ！！」



「…かんぱーい！」



涼介「おーい！久しぶりに会ったんだから、もうちょいテンション上げろや！！(笑)」







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あの頃、
まだあなたは全っ然モテてなくて

…いや、みんな涼介の良さに気づいてなくて






なのに、ナニコレ





涼介の中身も何も知らない、
しかも女子高生が、


ものの、2秒目が合っただけで
ワーワー言ってしまうような

モテ男なった…？






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幼馴染ってイヤだ




もし、幼馴染の関係じゃなかったら
もしかしたら涼介は私のこと…






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「バカじゃないの」






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私は、
あの頃のまま




私だけ、
進んでいない






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それを
いつもあなたのせいにしてしまうのは
まだ、あなたが好きだから






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