全員、嘘つき（2）

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あなたは無駄に優しいから
あなたは無駄に強がるから

私はそんなあなたを守ってあげたかったの




あなたにも守られたかったの






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涼介「もう…2人きりで会うのやめよ」





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私は、その言葉に何も答えられなかった
あなたが振り絞って振り絞って出した答えに




何となく分かってたから、
何となく気づいてたから




私は、うん、と言うわけでもなく
あなたの目を見てただ頷いた






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「ありがとう」






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好きだよ…好きだよ…
そう何度も心の中で叫ぶ




ありがとう、の言葉に乗せながら


気づいてほしくて
あなたに、あなただけに






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涼介「隅田川花火大会、綺麗なんだって」



「…っ？」



涼介「じゃあな」






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5年経っても私は何も成長してなくて
5年前と同じ、さようならが言えなくて




あなたの背中ばかり見て

振り向いて、と
願うことしかできなくて




私は大きなケガを負ってしまったから
あなたからの弓矢で






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あなたは振り向く




まるで、
「お前は振り向くなよ」って言われてる気がした




私の目には涙で溢れ、
私の頰には涙が流れ、

私を見るあなたを見続ける






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カフェのドアを
カランカラン、と鳴らながら

あなたは消えた






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今頃届いた、
あなたのコーヒー




しょっぱい涙のおかげかな？
コーヒーの苦さを感じられなかったよ





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