貴方に逢いたい、【オリジナル】 (ページ11)

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1-7 兎はシオンの花の飾りを身につけてページ11

黒鳥side

彼岸花に依頼に行ってから1週間程経った。

私もまだ高校生。早乙女さんが死んでしまってからも学校に行っている。

学校ではクラスメイトが面白おかしく笑っている姿を見て沈んだ気持ちになってしまう。

クラスメイトは早乙女さんがいなくなっても、早乙女さんがいなかったかのように接している。

私は早乙女さんと高校生になってからずっと喋っていたからクラスから孤立してしまうと思っていたけれど、何故か喋ったこともないクラスメイトから話しかけられることが多くなった。

私みたいな根暗な人間に何故話しかけているのだろうかと毎回疑問に思う。

今日も学校から帰って行く。早乙女さんと同じ道をいつも歩いたり、時には走ったりしてとても楽しい時間だった一つが、すぐに花が散ったようになくなってしまったんだ。

♪～

私の携帯から電話が来たと知らせる音楽が流れてくる。急いで携帯を見ると、【瀧島仁】と映されていた。

黒「もしもし！瀧島さん！」

瀧「お久しぶりです、黒鳥さん。」

低く落ち着いた声が電話から聞こえてくる。この声を聞いただけで酷く安心してしまう自分がいた。

瀧「依頼の件なのですが、受けられることになりました。空いている時間はありますか？」

今日は金曜日、明日は暇なので、明日に依頼を受けると伝える。

瀧「分かりました、土曜日ですね。それでは11時に彼岸花まで来てください。それでは。」

ついに明日、早乙女さんにメッセージが送れる。

酷く緊張してしまう。