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心臓がドキドキしてる。
いつもよりずっと速く。
破裂しそうなくらいドキドキしてる。
目の前はチカチカしてる。
こんだけ動いただけでも俺の体は限界なんだ。
何も許してくれない。
生きることも、死ぬことも。
何も出来ないじゃん。
まだ病院の近くの川辺。
できるだけ背の高い草がたくさんはえたところまで走って、その中に倒れ込んだ。
「も、、むり、、、」
ここなら多分見つかんない。見つかったとしたって、今の俺の心臓じゃ、もうもたない。
何冷静に分析してんだろ。なんて自分で自分を笑った。
20年生きたね。
頑張ったね。
ありがとね。
20年、脈を打ってくれてありがとね。
雄也も裕翔も、大ちゃんも、涼介も慧ちゃんもありがとね。
幸せになってくれるといいな、、、
「っ、、、、!」
胸に激痛が走って、汗がだらだら流れてきて、眠りについた。
地獄でもいいよ。
ここから逃げられればどこでもいいよ。
涼介、、、?ありがとね。
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作者名:よぞら x他1人 | 作成日時:2019年10月19日 0時