月華の姫３ (ページ10)

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１００.覚悟ページ10

あれから牛鬼は奴良組の本家に連れられ、手厚く治療を受けた

Aも少し、手伝ったようで疲れたのか、牛鬼の傍でリクオにもたれ掛かりながら眠っていた

そんな中、牛鬼が目を覚ます

リ「あ、起きた？ケガはなんとかなったみたいだ。よかった！」

リ「君の部下は迅速だね。牛鬼」

牛鬼は驚きを隠せないようだ

それはそうだ。

自分を殺そうとした者に対し、そんな普通に接するとは

牛鬼「リクオ.........？」

リ「「氷」はこれくらいがちょうどいいか」

牛「リクオ.....。本当に...朝になると...変わってしまうのか」

リ「.....今は...人間だよ」

リクオはAの頭を撫でながら、牛鬼の質問に答える

牛「覚えて...いるのか」

リ「覚えてる。昨日のことも、旧鼠のことも蛇太夫もガゴゼも」

リ「全部、ボクが殺ったって」

リ「知ってるよ.......妖怪のときはなんだか血が熱くなっちゃって...我を忘れてしまうってことも...」

牛「リクオ...」

リ「そろそろ覚悟を決めるときなのかな...」

リクオはAの肩を叩いて、起こさせる

貴「ん...んん...」

Aは目を擦りながら、リクオの手を取り立ち上がる

リ「いつまでも目を閉じてられない」

リ「怖いけど...本当は平和でいたいけど...''守らなきゃいけない大切な人''や''仲間''もいる」

リクオは愛おしそうにAの腰に手をやる

リ「この血にたよらなきゃいけないときもあるって...知ったから」

リクオは襖の戸を少し、開けて太陽の光を背に言う

リ「だからボクはそこまで組のこと...思ってくれる牛鬼が百鬼夜行にいてくれたら...うれしいよ」

『牛鬼__ワシの組に入れよ。のう？』

『あなたのこと私が最後まで見てあげるわ』

牛「(また__)」

牛「(全力で...ぶつかって__私を上回ってなお...私を認めた)」

この日から牛鬼も心に決めたことがあったようだ