第十六幕 梅若丸と牛鬼 ページ3
妖怪・牛鬼がかつて人間であったとき__
彼は梅若丸と呼ばれていた
京の公家の家計に生まれた梅若丸は5歳の時に父と死別。
その菩提を弔うために7歳で比叡山のある寺に入った
母とはここで今生の別れとなった
母『梅若丸。あなたは頭のいい子...きっと立派な人間になるのですよ』
梅若丸『ハイ。母様もお元気で』
頑張っていたらいずれまた会える...
梅若丸はそう思っていた
やがて頭角を顕し寺の先輩たちをどんどんと追い抜いていく。
10歳のころには比叡山中にその才が知れ渡る存在となった
が、それは同時に同僚たちの妬みを生む
12のときまでに彼は三度目にケガを負った
母に会いたい__
自分を理解して無償で愛してくれるのは母だけ
彼は寺を抜け出した
比叡山から京への道は12の子には長かった
道の途中
琵琶湖畔の大津__
『もし、もし...』
梅若丸の前に二人の女が現れた
その女たちは言葉巧みに梅若丸を連れさった
『もしやあなたの名前は梅若丸。ああよかった...やっと見つけた』
普段なら...だまされることはなかっただろう
しかしその時は違った
梅若丸『え、母様が_御病気だって?』
『この地で倒れられていたのです。御前は__私たちの屋敷で休んでいます。私たちに...ついてきて...』
梅若丸は素直にその女たちについて行ってしまった
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作者名:歌姫 | 作成日時:2019年1月28日 22時